BLOG 年中石屋
設計舎サクマサーベイ北総の代表 サクマ・ユウキが 日々の出来事や墓石のことを綴るブログです

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 1月31, 2021 新型コロナで思うこと

 
 新型コロナウイルス感染拡大により、東京など大都市圏で2度目の緊急事態宣言となった1月でしたが、昨年の1回目の時ほどの緊張感はほとんど感じられません。相変わらず混雑している通勤電車に見られるように、不要不急の外出自粛と言われながらも人出はさほど変わらず、企業のテレワークも進んでいないようです。時短要請により、飲食店がほぼ休業状態に追い込まれていることを考えると、不公平さばかりが際立ちます。

 そもそも感染拡大防止策の根拠がよくわかりません。夜の会食だけ駄目なのか、そう言われれば昼も控えてほしいと。夜8時以降に飲食店が営業できない根拠が意味不明です。夜8時になるとウイルスの威力が増すとでも言うのでしょうか。飲酒の機会を無くそうとしても、ホームパーティをしていたら同じことです。自粛を訴えている政治家が会食していたという報道も出てきます。これでは本気で終息させる気があるのかと。

 国民に緊張感がなく、相変わらずマスク無しの会食を繰り返したり、混雑した電車で通勤したりしているのは、そうさせる空気がこの国にあるからです。これでは大切な人を亡くしたご遺族や、今まさに戦っている医療関係者に申し訳ないばかりです。自粛させられて、この先の生活が見通せない飲食業関係者にもそうです。緊急事態宣言の対象になっていない地方でも、観光業をはじめ経済は大打撃です。

 2月になると中国では旧正月(春節)の連休を迎え、故郷への帰省で人々が動き回ります。昨年、新型コロナが蔓延した時期を再び迎えるのです。中国との関わりが大きい石材業界も、春のお彼岸に向けて、旧正月前後は石材加工の繁忙期となる重要な時期。引き続き工場が正常に稼働していくのか、中国の国内情勢も気になるところです。今後も最新情報を注視していきます。



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 1月30, 2021 墓地が先か、墓石が先か

 
 墓地を選ぶ基準として、「どんなお墓を建てるのか?」が大事になることを昨日のブログに書きましたが、つまり場合によっては、墓地選びよりも先に墓石工事のことを考える必要があるということを意味しています。

 お墓をこれから建てようと考えた時に、墓地がなければお墓を建てられないと考えるのはごく自然なことで、真っ先に霊園の見学へ行ったりする人も少なくありません。しかし、霊園によっては建てられるお墓のデザインや石種、宗教などに制約があるケースもあるので、墓地申込の前によく確認することが不可欠です。

 特に民営霊園の場合は、経営主体である宗教法人から墓地の販売を任された石材店(指定石材店)が霊園案内を担当し、当該の石材店が墓石工事までを担うという特殊なルールが存在しています。これは霊園開発の段階から宗教法人と石材店とが協力関係になっているためで、端的に言ってしまえば、各指定石材店は購入した持ち分(区画数や区画面積)のみ墓地販売が可能になっているのです。

 そのため、A石材店にC霊園の空き状況を確認して「すでに完売している」と言われても、B石材店ではC霊園の墓地販売が可能なケースが出てきます。販売できないA石材店は、違うD霊園を勧めるでしょう。墓地販売をめぐっては業界特有のルールが存在しているため、このあたりは慎重に進める必要があります。

 墓地選びに失敗すると、それなりの工事費をかけたにもかかわらず、理想のお墓とかけ離れたお墓が建ってしまうかもしれません。石材店の提案で判断にブレが生じないように、「どんなお墓を建てるのか?」、墓地選びの前にご家族の価値観を共有することの大切さがここにあります。

 私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総は、民営霊園に参画していないため、墓地取得後に好きな石材店を選んで建てられる公営霊園や共同墓地などに限って、墓石工事を承っております。もし民営霊園のことで疑問や不安がございましたら、業界内の第三者立場としてお話をお聴きすることもできますので、ご相談ください。

 理想のお墓(墓石)を建てることができる墓地を探すのか、理想の墓地に合わせて墓石工事を決めていくのか。その方向性も2通りあるということです。

わかりにくい墓地販売の仕組み


 1月29, 2021 眺望のいい霊園

 
 昨日のブログで霊園からの風景に触れましたので、今日は霊園からの眺望が素晴らしい霊園を茨城県内から一つ紹介したいと思います。

 その霊園があるのは、茨城県石岡市。かつて常陸国の国府が置かれていた歴史ある石岡の中心部から北西へ約3.5km行ったところに、標高196mの龍神山がありますが、その山裾に石岡市営の龍神山霊園があります。市営霊園ということで、1年以上住所を有する石岡市民が使用申込でき、現在も常時申込が可能になっています。(石岡にはもう一つ、半ノ木霊園という市営霊園もあります。)

 龍神山霊園は山にへばりつくようにあり、区画はひな壇状に構成されています。そのため、駐車場からお墓までは階段や坂道を上らなくてはならず、半ば山登りのお墓参りになってしまいますが、山の上に墓地を置くという考えは、日本の山間集落でも多く見られる古来の慣習とも言えるものです。

 お墓参りでの身体的な負担は否めませんが、それと引き換えに墓地からは素晴らしい風景が展開しています。下方に見える赤い獅子頭は常陸風土記の丘。石岡を代表する場所です。転じて遠くに目を向ければ、石岡の市街地が望めます。自然豊かな里山に囲まれた石岡の街がよくわかります。

 墓地を選ぶ基準は様々ありますが、共通して言えることは「どんなお墓を建てるのか?」を考えることです。人によっては「山の上の墓地なんか…」と思ってしまうかもしれませんが、「故郷の風景を見ながら故人に安らかに眠ってほしい」という想いがあるのならば、こんなに素晴らしい霊園は他にないのです。

 すべては「どんなお墓を建てるのか?」です。そしてその答えは、建てた後のことまで考えたご家族の想いが詰まったものにしたいものです。

龍神山霊園から望む獅子頭の風景自然豊かな里山の向こうに石岡の街


 1月28, 2021 故郷の風景に墓を持つ

 
 Twitterでも発信しましたが、2月1日から常総市営神子女霊園の使用者募集が始まるそうです(受付は2月19日まで)。本日発行の広報『じょうそう』おしらせ版1月号に掲載があります。ちなみに、使用者募集は例年1回でしたが、今年度は第2回目となります。すべて返還区画ですが、貴重な公営霊園の墓地8区画が対象となっています。

 茨城県南西部は公営霊園の空白地帯で、この神子女霊園は貴重な存在です。利用できる常総市民の方は、ご検討されてみてはいかがでしょうか。公営霊園は永代使用料や年間管理料が民営霊園と比べて安価な傾向があり、建てた後の金銭的な負担を軽減させることができる点と、好きな石材店を選んで墓石工事ができる点に、御施主様としてのメリットがあると思います。

 公営霊園は基本的にその自治体に住民票のある人だけが使用申込できる霊園ですので、お墓参りのことを考えても、必然的に自宅からの距離が近くなるでしょう。自治体運営の安心感もあります。

 神子女霊園はその好例となりますが、目の前を流れる鬼怒川や、その向こうの筑波山、そして石下の町を象徴する豊田城など、霊園から望む風景は市民にとって、いかにも地元の街らしい(石下らしい)と言える風景であり、この地にお墓を建てることで、この街で生きてきた証を後世まで残すことにもなるでしょう。

 この地で生きてきた故人のために、そしていつかの将来自分たちが眠る場所として、人生をともにしてきた故郷らしい風景の中にお墓を持つことは、墓地選びの一つの選択肢として考えてもよいのではないでしょうか。

神子女霊園から望む筑波山と豊田城


 1月27, 2021 芝生墓地

 
 昨日のブログで芝生墓地の話が出ましたので、その続きというわけではありませんが、芝生墓地について書きたいと思います。

 芝生墓地の一般的なイメージは、芝生が広がる中に洋型の墓石が点在する風景でしょうか。納骨室が地下で、普通墓地のような外柵(土台や囲い)がないため、墓石の背が低く、開放感のある墓地であることが多いです。例外的に、普通墓地の墓前通路部分を芝生とした芝生区画のようなものもありますが…。ここでは考えないことにします。

 現在、芝生墓地は公営霊園、民営霊園問わず、整備されています。設計舎サクマサーベイ北総が営業エリアとしている中では、特に栃木県の公営霊園に芝生墓地が目立っており、真岡市の長田霊園、小山市の墓園やすらぎの森など、芝生墓地をメインにしている霊園もあります。

 お墓を建てる人にとって、芝生墓地最大のメリットは、同じ石種を使うのならば普通墓地よりも墓石工事費を抑えられることでしょう。外柵がなく、カロート(納骨室)も既に霊園側で整備済であることが多いため、使用する石材の量や据付工事の手間が少なくなるからです。

 一方、デメリットと言えば、墓石の規格(高さなど)が決まっていて、墓石デザインの制約を受けたり、墓地の年間管理料が普通墓地よりも割高に設定されているケースがあることです。また、八柱霊園のように応募抽選制の霊園では、当選倍率が高くなる傾向にもあります。

 色々検討すべきことはありますが、現代の家族構成は大きな納骨室を必要としていない、お墓参りの身体的負担を小さくしたい(草むしり不要、バリアフリー構造)、墓石工事費を抑えたい、ということを考えると、コンパクトながらもお墓を持ちたいという方にとって、芝生墓地は社会ニーズに適合した形式と言えるのではないでしょうか。もちろん、普通墓地には芝生墓地とは違う魅力があります。これはまたの機会に。

 写真左は「栃木市聖地公園」、写真右は小山市「墓園やすらぎの森」。



 1月26, 2021 火の用心

 
 関東地方の平野部など、雪の少ない地域では乾燥する日が続きやすい冬の時期。お墓参りの時の火の取扱いにも十分に注意しなければなりません。

 お墓参りでお墓へ行くと、掃きそうじや墓石の水洗いなどを済ませてから、お花を供えます。そして線香を焚き、手を合わせるという流れがあるかと思います。線香を供えるタイミングがお墓参りの終盤になるため、線香が燃え尽きる前にお墓を離れてしまう人も少なくないかもしれません。

 お墓に線香皿(線香を網の上に横置きできるもの)があって、かつ風の影響を受けにくい香炉(石をくり抜いた線香皿を入れるもの)があれば、少しは安心かもしれませんが、風の影響を受けやすく、倒れる可能性もある線香立を使用していると、周囲に飛び火してしまう可能性も考えられます。

 墓石の周囲を芝生が取り囲んでいる芝生墓地ではなおさら、実際に八柱霊園では消防車が出動する現場を見たこともあります。線香が燃え尽きるまでのその時間、故人と向き合いながら、墓前でゆっくり過ごすことが何よりと言えそうです。

 春はどこまで来ているのでしょうか。2月に入ると春一番が吹き抜ける日もあるでしょう。お気をつけてお参りください。

 写真は、芝生墓地が広がる宇都宮市の「東の杜公園」。

火の取扱いに注意したい芝生墓地


 1月25, 2021 取手駅前

 
 今年から設計舎サクマサーベイ北総の本店所在地を取手駅西口直結の商業施設「リボンとりで」内に移しましたが、駅前の商業施設だけあり、大規模な駐車場も完備しています。その駐車場と本館は4階の連絡通路で結ばれており、通路からは常磐線の取手駅と、その向こうに広がる東口側の街並みを見渡すことができます。

 利根川の水運と水戸街道の宿場町が相まって発展してきた取手は、駅の東側に旧市街があります。かつての取手宿には本陣跡をはじめ、老舗の漬物店や酒造店など、古い建物がわずかながら残されています。その旧市街のど真ん中にこんもりとした木々で覆われた小山が長禅寺。門前の大師通りから急な石段を上がると境内です。このお寺があるおかげで、単調な駅前風景ではなく独特の景観が駅前に広がっているのも取手の魅力だと思います。

 また、取手は坂の町でもあります。取手駅を出ると、東口側も西口側もすぐに上り坂となります。それもなかなか急な坂道です。写真は、リボンとりでの駐車場連絡通路から取手駅方面の眺望。西口側は現在再開発の真っ只中ですが東口側の再開発は一段落し、駅前はビルが林立しています。しかし、長禅寺の山を取り囲むように曲がりくねった細道や急坂が残り、往時の景観を垣間見ることもできます。

 このブログでも、サクマサーベイの本拠地である取手のことを少しづつ紹介していけたらと思っています。

リボンとりでから見る取手の街並み


 1月24, 2021 意味のある石選び

 
 雨が降り続いているので、今日も内業。ブログは昨日の続きです。できるだけ低価格で良質な石を選びたいということは、基本にあるところかと思いますが、一旦価格面のことはさておき、まず良質という点に注目してみます。

 質の良さとは何か?外部環境に長年置かれる墓石ですので、風化しにくい、割れにくい、変色しにくいなど、風雨に強い石が望まれます。硬くて吸水しにくい、あるいは吸水しても水の抜けが早い石がいいと言うのは、あながち間違っていません。特に冬場は、石の内部に入った水分が凍結、膨張して割れを起こすリスクも少なからずあります。

 他にも石選びの視点はあります。例えば彫刻を引き立たせたいのであれば白御影より黒御影。戒名を刻む墓誌は黒御影が多いかと思います。お墓を柔らかく明るい印象にしたいなら白御影。角を丸く面取りすると、さらに柔らかい印象になります。石塔と外柵のバランスも大事です。石塔を黒御影にしたとき外柵を白御影にすると、色の濃い石塔を引き立たせる効果を得られます。

 すでに外柵ができていて、年数が経ってから石塔の追加工事をする場合は、同じ石ではなく違う石を使ったほうが無難です。同じ石種でも採れた時期で石目や色合いが変わっている可能性があるからです。無理して合わせようとすると中途半端な結果をもたらすことになるかもしれません。

 こだわりの石を選ぶ方法も。故人との思い出の地で採れた石を使う、故郷で採れた石を使うなど、国産の石があれば外国産の石もあります。外国産というと中国産をイメージするかもしれませんが、インドや北欧、南アフリカなど、その産地は様々です。どこで採れた石も、大自然の恩恵を受けたものに変わりはありません。

 どんなお墓を作るのか、石選びはこれに尽きるかと思います。

墓石工事ではご家族の想いで選んだ石を調達


 1月23, 2021 石の情報収集

 
 これからお墓を建てようと考えた時に、インターネットで石種や石の特徴を調べる方は少なくありません。「吸水率が低くて硬い石がいい」「黒は高いから白い石にしてほしい」など、お客様の方から伝えてくるケースがあります。場合によっては石種名をずばり仰って、工事費を聞いてくる方もいます。

 傾向として感じるのは、できるだけ低価格で良質の石を求めている方が多いということ。しかし、インターネットの情報だけでは、思うように行かないこともあります。その理由を少し書きたいと思います。

 まず、情報の鮮度です。石種によっては、すでに閉山されて手に入らない石や、石目や色合いが変化してしまった石もあるでしょう。同じ石種名で、同じ山(丁場)から採っている石でも、採掘する深さや場所によって石目に違いが見られることがあるのです。それにより、吸水率など石が持つ特性までもが変化することもあります。

 次に、石種名について。例えば、中国の福建省で産出される石にはG600番台の名称がつけられていますが、これを商社や卸問屋が営業戦略上、通称をつけているケースがあるのです。「桜御影」という表記で出回っている石を例にすれば、G623という石を指す場合もあれば、G663やG635という石を指す場合もあるのです。どれも薄ピンク色の鉱物を含んでいることから、日本人に印象がいい「桜」の文字を入れて販売しているのです。

 お墓を建てる時に工事費は大きな問題となりますが、インターネットの情報だけを頼りにすると、思わぬ方向へ行ってしまう可能性があります。そう言いながら、ブログに墓石のことを書いている私ですが、設計舎サクマサーベイ北総では、必ず石種の最新動向とサンプルの確認をしてから、お客様へ提案しておりますので、ご安心を。

 石選びは価格だけではありません。そこに意味があるからその石なのです。どんな意味があるか?続きはまたにしたいと思います。写真は左がG663、右がG635で、全く別物の石です。

石種選びは正式名と通称の違いに注意したい


 1月22, 2021 玉の話

 
 石屋用語に「玉(タマ)」があります。「玉が出た」と言うと、下の写真のように、石材を磨き加工した時に、石材を構成する鉱物のうち特定の鉱物が密に集まる部分で、玉のような模様が出たことを意味しています。

 石は自然物なので、個性と言えばそれまでなのですが、彫刻を施す墓石正面などに玉が出てしまうと、やはり気になってしまいます。もちろん、大きさにもよるかと思いますが。極力目立たない位置関係になるように加工したり、据付工事をしたりと、出来る限りの工夫をすることになります。

 よく「御影石」と呼ばれている墓石ですが、ほとんどは花崗岩です。マグマが地下深くで固まった深成岩に分類され、石英、長石、黒雲母など、いくつかの鉱物で組織されています。石英や長石は無色鉱物、黒雲母は有色鉱物ということになり、写真のように有色鉱物の黒雲母が集まってしまったのが黒玉ですが、反対に無色鉱物が集まってしまう白玉が出ることもあります。

 花崗岩の鉱物は、目が細かい・粗いの違いはあれど、基本的に等粒状組織なので、彫刻が映えやすいという外観上の利点や、吸水や硬度の面で偏りが少ない物理特性上の利点などを得られるため、墓石を建てるのに花崗岩はふさわしいと言えます。しかし等粒状組織だからこそ、黒玉などが出ると目立ってしまうのです。

 自然が作り出した素材を利用する以上、ある程度は受け入れる姿勢も大切です。ちなみに、玉以外にも石目に現れるものがあります。ものによっては、オリジナルデザイン墓になってしまうほどの個性を発揮してくれるものもありますので、またの機会に紹介できればと思います。


自然物の石だからこその黒玉


 1月21, 2021 そろそろ

 
 今日は空き時間を利用して、眼科に定期検診へ行ってきました。コンタクトレンズの処方を受けるためでもあります。

 CADによる墓石設計や現場調査の写真整理、お客様へのご提案書・お見積書作成、お客様や取引先とのメールでの打合せ、さらにはホームページ管理に経理まで、仕事のあらゆる面でPCを使用する機会は多く、目に相当の負担をかけている日々を送っています。

 ちなみに、私の視力は両目ともわずか0.03〜0.05程度、右目は乱視状態。裸眼ではほとんど見えません。日常生活を送る上でコンタクトレンズは手放せず、もう長いことお世話になっています。装着時間も毎日18〜20時間ですので、定期的に眼科で診察を受けることはとても大切なのです。

 気がつけば、そろそろ憂鬱なスギ花粉の季節。花粉症のわが身にとっては現場調査の敵となりますが、集中力を切らさずに乗り越えたいと思います。





 1月20, 2021 石の町の風景

 
 一時はGoTo−というような流れもありましたが、再びの緊急事態宣言、不要不急の外出自粛要請が出され、ストレスを抱えている人も少なくないと思います。私も趣味は旅行、トレッキング、街道歩き、町並み探訪というアウトドア派ですので、昨年以来、状況が一変してしまいました。仕事の関係で現場調査へ出かける以外は、基本的に自粛しています。

 普段は石屋として墓石のことを考えている身ですが、旅へと出れば風景をつくっている石に惹かれることも多く、例えば石畳の小道や石造りの建物など、カメラの被写体になっています。墓石と同じように、時間とともに風合いが備わり、風景を味わい深いものにしているのだと思います。

 今日は旅に出られない気持ちを抑えながら、2枚の写真を紹介したいと思います。左の写真は栃木県宇都宮市にある徳次郎という町で撮った1枚。曲がりくねった集落の道も印象的ですが、その両側に構えるのは見事な石造りの蔵。ここ徳次郎は、有名な大谷石の産地にも近く、かつては大谷石と同系の凝灰岩「徳次郎石」を産出していた石の町なのです。その名残が集落の建物や塀にあり、その歴史を伝えています。

 右の写真は茨城県桜川市真壁町にて。日本三大石材産地の一つで、墓石材として良質な「真壁石」が今なお産出されています。私が代表を務めるサクマサーベイともつながる町で、私が石材業界へ足を踏み入れた時のご縁から、今でも大変お世話になっている町です。真壁の町並みは江戸時代の町割りを残す大変貴重な存在で、国の重要伝統的構造物群保存地区。石の町だけに石造りの蔵と出会うことができました。

 それにしても新型コロナ、そろそろ何とかならないものでしょうか。


栃木県宇都宮市徳次郎の町並み茨城県桜川市真壁町の町並み


 1月19, 2021 風とお墓

 
 今日は冷たい風が吹き抜ける1日。取手でも風速5m/sを観測しているようです。木々が大きく揺れ、風音が続いています。

 ところで、お墓の中で風に弱い部分はどこでしょうか。お墓を建てる時に石材の吸水率など、雨の問題は気にされる方も少なくありませんが、石そのものが重量物ということもあり、風の問題はあまり考えていない方もいるのではないでしょうか。

 風は風圧という力によって物体に影響を与えます。そしてお墓の場合、外部環境に長年置かれる性質があるので、風による飛来物が衝撃して損傷することと、風圧によって墓石に力がかかることで傾きや倒壊などの被害を受けることとが考えられます。

 飛来物は予期せぬ状況も考えられますが、風圧の問題については、受ける風圧を少なくする設計をして、風に強いお墓をつくることは可能です。

 お墓の構造上の弱点箇所は部材と部材の接合部、目地です。ここに力がかかると、石材がずれたり傾いたりする原因となります。そして、風圧は受ける面積が大きくなればなるほど大きくなるため、墓誌のように大きく薄い板状の部材は風圧を受けやすい構造と言えます。強い風圧を受けることで、弱点箇所である目地の部分に力がかかり、傾きます。お墓を建てた後に、適切な周期で目地のメンテナンスをすることの大切さもここにつながります。

 もうひとつ、石塔の後ろに立てることが多い「卒塔婆」。長い板状の卒塔婆も風の影響を受け、塔婆立を傾かせる原因となります。古い卒塔婆を処分せずに何本も立てたままにしておくと、風を受けやすくなりますので、ご注意ください。


風の影響で傾いた塔婆立のイメージ


 1月18, 2021 施工費用

 
 施工にかかわる部分では、どんなものが墓石工事費に影響を与えているのでしょうか。新規の墓石工事であれば、施工は基礎工事→石材据付工事の順で行います。基礎工事費は使用するコンクリートの量に影響するため、墓地の面積や、墓地の高低差、地盤の強弱などを考慮した設計数量で決まってきます。基礎工事の具体的な方法は別途書きたいと思いますが、重量物の墓石を恒久的に支える基礎は、お墓の設計に適合するそれなりのスペックが求められます。

 石材の据付工事のポイントは、何と言っても「石は重い」ということ。少し動かすだけでもクレーンで吊り上げたりと、現場に合わせていくつもの機材を使用しながら工事を進めることになります。そのため、お墓の大きさ(施工の範囲)という問題以外に、現場の条件が墓石工事費に大きく影響します。

 例えば、車道に面している平坦な墓地と、車載クレーンが届かない奥まった墓地や高低差の大きい山上の墓地とでは、明らかに条件は異なります。写真は車載クレーンが届かないため、通称カニクレーンで墓石を吊り上げている現場の様子です。

 職人が何人必要で、何日(何時間)かかる規模の工事か。人件費の面で言えば、いわゆる人工の考えがあります。夏と冬では気温も違います。コンクリートの硬化時間により、複数日に分けなければならない工程もあります。

 いずれにしても、お客様への工事費ご提案にあたっては、現場をよく見ることを大切にしています。墓地の立地や環境、工事内容により施工方法は変わります。同じ霊園の同じ面積であっても、工事ごとに工事費が変動することもあるくらいですので、〇u=工事一式〇〇万円とはいかないのです。


クレーンを使用した墓石工事の現場


 1月17, 2021 彫刻費用

 
 墓石工事費の算出について、先日の続きです。材料にかかわる部分として、石種や石材の加工内容が影響することをご紹介しました。もちろん、これらは使用する石の量に比例していきます。

 山から採掘した原石はカットされ、最終的にお墓の設計図面に合わせて加工されていきます。磨いたり面取りしたり穴を開けたり。そして、お墓に欠かせないものに彫刻があります。この彫刻費用も内容により決まっていきます。

 和型石塔を例にすれば、一般的な場合、正面に「〇〇家之墓」などの家名、後面に「○年○月吉日〇〇〇〇建之」という建年号と建立者名、側面に戒名や俗名、命日、享年などを刻みます。また、こうした字彫りだけではなく、花立に家紋を彫ることも伝統的に行われていますし、洋型墓石などでは故人と所縁が深い図案(花をモチーフにしたものが多い)をワンポイント的に彫刻することもあります。

 彫刻する箇所数の他に、彫刻技法や彫刻の大きさも費用に影響します。彫刻は文字や線の部分を彫ることもあれば、文字や線を残すように彫ることも。今は砂を吹き付けて彫るサンドブラストが主流で、細かなオーダーにも対応できるようになっています。硬い石種ほど、また彫刻文字が大きいほど深く彫る必要があるため、彫るのに時間がかかります。

 石材の種類、加工、彫刻、このあたりが材料にかかわる部分です。墓石工事費全体から見ても、大きな部分を占めることになりますが、工事内容の詳細を決めないと最終的な費用を出しにくい部分でもあります。

 次回は、施工にかかわる部分の話を書きたいと思います。


箇所数だけではなく技法やサイズも影響する彫刻費


 1月16, 2021 埼玉の蓮田へ

 
 不要不急の外出自粛や県境をまたいだ移動の自粛が呼びかけられている中ではありますが、どうしても会う必要がある人には会いに行くしかありません。オンラインだけでは成り立たないことも多々あります。

 今日は夕方から埼玉県蓮田市へ行ってきました。土曜日でしたが、交通量は多く、緊急事態宣言が出されている緊張感のようなものは全く感じません。

 埼玉県というと千葉や茨城のすぐ隣なのですが、公営霊園が少ない県なので近い割にはあまり行く機会がありません。茨城から芽吹大橋で利根川を越え、千葉の野田を経由し、国道16号で埼玉県へ。春日部、岩槻と通って、1時間半ほどで蓮田に到着しました。

 途中の春日部や岩槻周辺は、民営霊園がいくつも開発されているエリアで、私もかつての会社員時代には墓石営業で八柱から何度も往復しました。公営霊園と民営霊園の詳しいことは、このブログでも随時書いていこうと思っています。一般の方には同じように見えてしまうかもしれませんが、お墓を建てる霊園が公営か民営かの違いは、かなり重要なポイントなのです。

 公営霊園、民営霊園の他にも、寺院の境内にある寺墓地や、地区(集落)の自治会や組合などで管理されている共同墓地など、墓地にはいくつかの種類があります。このあたり、少しづつご紹介できればと。

 写真は蓮田駅前のイルミネーション。


蓮田駅前のイルミネーション1蓮田駅前のイルミネーション2


 1月15, 2021 ブログ

 
 今年から始まった私のブログですが、当初は更新のことなど色々考えると手間をかけたくないと思い、googleのブログサービス「Blogger」を利用したのですが、やはりサクマサーベイのウェブサイト内に置きたいと思い、半月で引っ越しました。

 ちなみに、設計舎サクマサーベイ北総のウェブサイトは、ウェブ制作会社等への外注は一切なし、既製のテンプレートを使用することもなく、真っ白な紙からすべて私が手作りでやってきたものです。その道のプロにはとても敵いませんが、ブログもオリジナルで、気楽に書いていこうと思います。

 サクマサーベイからのお知らせ的な内容は「Twitter」設計舎サクマサーベイ北総のアカウントに譲ることにして、このブログでは、お墓のマニアックな視点を紹介したり、意外な発見だと感じてもらえる内容も取り上げていきたいと、考えています。

 お時間のある時にでも、ご一読いただければ幸いです。





 1月14, 2021 墓石工事費のこと

 

 先日のブログで、同じ面積でも間口と奥行のバランスによって、墓石工事費が変わってくると書きましたが、そもそも墓石工事費はどのように算出されるのでしょうか。

 石材店によってはパッケージ商品があったり、カタログなどで一式の金額を出しているところもありますが、私は1件ずつ工事内容に応じて費用を算出しています。

 まず、材料にかかわる部分。使用する石材の種類や、その石材の加工内容があります。石材は白御影、黒御影…と言われるような色系統による区分のほかに、国産材、外国産材といった採掘地による区分があります。細かく言えば、同じ石種でも微妙に採掘した場所(丁場)が変わると値段に影響することもあります。

 石種の名前は正式名の他に、取り扱う商社や石材店によって、オリジナルの名前が付けられていることもあるので、十分に比較することが難しいこともあります。(それが狙いであったりもします)

 一般的には希少性のある石材や、ブランド化されている石材、墓石材にふさわしい吸水率が低く硬質な石材ほど、高めの設定となります。どこにお墓の価値を持つかは人それぞれですが、石種こそお墓の価値と考える面も少なからずあるような気がします。

 石にどんな加工をするのかも大事なポイントです。角を丸く面取りするような比較的シンプルな加工から、宗教的な意味合いを持つ繊細な加工やデザイン墓に見られるような球体の加工など、その難易度によって費用も変わります。

 墓石デザインを決定しなければ、詳細な金額までは出すことができない理由がここにあります。さて、長くなってしまうので、この続きはまたにしたいと思います。

墓石工事費への影響が大きい石種の選択


 1月13, 2021 緊急事態宣言拡大

 

 明日から、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域が拡大されます。関東地方では栃木県が追加されています。昨年同様、このまま全国的な拡大へとつながってしまうのでしょうか。不要不急の外出自粛と言われているように、人との接触を減らすことが大事なようです。

 人が集まる場所を避けるということで、お墓にかかわるものでは、昨年以来、ご親戚が集まる納骨式や回忌法要について、規模を縮小して家族だけで執り行ったり、会食の場を取りやめたり、あるいは法要自体を中止するといった動きが見られました。昨年の緊急事態宣言中の八柱霊園は、ご近所の方が体を動かしに園内を歩かれている程度で、いつもなら法要が集中する土日でも、ご住職がお経を読み上げる場面に出会うことが少なかったです。

 お墓は故人を中心にして家族や親戚が集まる場所ですが、大人数で集まれない状況が続いているようです。こんな時こそ、回忌法要の日取りにこだわらず、故人や家族の記念日に合わせてのお参りや、自分の近況報告を兼ねたお参りなど、少人数で宗教の形にとらわれないお参りをされてみてはいかがでしょうか。と言いたいところですが、不要不急の外出自粛要請が出ていては、お墓参りそのものも遠のいてしまいそうです。

 新型コロナで私たちの身の回りの環境は大きく様変わりしてしまいました。そんな中で、コロナに動じずそこに建ち続けるお墓と向き合うことで、大切なものを再確認したいものです。終息を願うばかりです。

 写真は昨年の緊急事態宣言中の八柱霊園。

土日でも人が少なかった2020年緊急事態宣言中の八柱霊園


 1月12, 2021 間口と奥行

 

 これからお墓を建てようかと考えている方は、石材店に墓石工事費の見積りを依頼したり、ホームページやチラシなどから、おおよその金額を参考にしたりすることも多いかと思います。その際、一つの手がかりとなるのが墓地の広さです。自分が取得した墓地は〇uだからということで、石材店に電話をして「〇uだといくらでお墓を建てられますか?」という問い合わせをする方もいるかもしれません。

 しかし、〇uという情報だけでは、石材店としては明確にお答えすることができないのです。なぜなら、現場の条件によって、重い墓石を運搬する距離が変わったり、使用する機材が変わったりと、その工程から人工(人と時間)に影響することがあるからです。

 また、石材の加工費は、石の種類による違いはもちろん、使用する石材の量にも比例するため、建てるお墓のデザイン(設計図面)に影響されます。同じ6uでも、3m×2mの区画に建てるお墓と、1.5m×4mの区画に建てるお墓とでは、お墓の設計が変わってきます。この間口と奥行のバランスは大事で、納骨室の寸法や階段の奥行など、設計に大きく関わります。

 建てたお墓の印象もだいぶ違ってきます。間口が大きい墓地であれば、横広の堂々とした印象のお墓になりますし、奥行が大きい墓地であれば、墓前を広く採って段差を少なくしたり、敷石を使って石塔への印象的なアプローチをつくることもできます。

 設計次第で工事費は変わります。様々なご要望とご提案を交わしながら、お客様と石材店とが十分に打合せをすることで、無駄がなく本当に必要な意味のある設計でお墓を建てることができるのです。

墓地の間口と奥行のバランスでお墓の設計は変わり、工事費も変わる


 1月11, 2021 使用許可証

 

 墓地の永代使用の権利を取得したときに、墓地使用者に交付される「使用許可証」。令和2年度の都立霊園に当選された方への使用許可証の交付が今月です。例年より1か月遅れのスケジュールではありますが、8月の当選から、書類審査、永代使用料・管理料の納付などを経て、ようやく正式な使用許可となります。

 使用許可証は墓地の使用者であることを証明する重要書類ですので、紛失しないように大切に保管しましょう。今後、霊園の管理事務所で各種手続きをする際に必要となります。納骨の際は、埋葬許可証と合わせて、使用許可証を管理事務所の窓口に提示します。墓石工事の際も同様に、工事施工届と合わせて使用許可証を提示することになります。(写真は八柱霊園管理事務所)

 使用許可証が今月手元に届けば、いよいよ墓石工事に着手することが可能。都立霊園の場合、当選者は外柵工事までを3年以内に行うことが義務付けられています。石材店はお決めになられましたか。設計舎サクマサーベイ北総でも、八柱霊園を中心に墓石工事のお問い合わせ・ご相談を承っております。

 単に複数石材店の見積金額比較という石材店の決め方ではなく、石材店それぞれの考えに基づいて提案される工事内容をじっくり見てみましょう。お墓といっても、やり方次第で結構変わるものです。建てた後のことまで考えるのがポイントです。

手続で訪れる都立八柱霊園の正門脇にある管理事務所


 1月10, 2021 テレワーク

 

 お客様との対面での打合せや、現場調査の予定を入れていない日は、自宅でのテレワークに切り替えています。緊急事態宣言の期間中だからというわけではなく、恒久的な対策として今年から導入しています。

 松飛台からの本店移転時に、一部備品を自宅へ運び入れたため、自宅の一室にミニオフィスが出来上がりました(写真)。電話、FAX、インターネット、CADシステムなど、オンラインで結ばれた環境が整っているので、基本的にはどこでも打合せや設計業務が可能です。

 場所を選ばない働き方というのは、これから大事になると思います。と言うよりも、当然に満たすべき条件になると思います。お客様の都合にも合わせやすくなりますし、仕事の効率も上がります。どちらにとってもメリットがあります。

 石材業界、それも墓石小売業(いわゆる街の石屋)では、店舗を構える、墓石展示場を構えるというのが常識のような考えがあります。私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総は、展示場を持たない、在庫を持たない、カタログをつくらない、ないないないの石材店です。

 その理由はサクマサーベイのウェブサイトにも書いていますが、端的に言えば、お墓づくりに本当に意味のあることだけをやっていきたいということです。業界の慣習にとらわれず、これからも新しい技術や手法に関心を持ち続けていきたいと思います。

自宅内に整えたテレワーク用のミニオフィス


 1月9, 2021 石を磨く

 

 墓石と言われてイメージする、または墓地で見かける石の色や模様。墓石の色系統別に、白御影、黒御影などと言われることがあるように、墓石は石の種類(石種)それぞれに特徴的な石目(粗い、細かい、白っぽい、黒っぽい…)を持っています。

 まれに、山から原石を採掘した時点で、すでに建立されている墓石と同じ色をしていると勘違いされている方もいますが、あの色や模様は、すべて人の手がかけられて生み出されたものです。墓石として使用される石材は、山から採掘した原石を切って、削って、磨いた結果です。写真左が本磨き後、写真右が磨く前です。磨くと石材に色つやが備わります。比較として参考までに。

 石を磨くのは手間がかかります。何で磨くかというと、ダイヤがついた研磨機です。研磨機の目の粗さや磨き時間を変えながら、少しずつ磨いていきます。

 15年ほど前になりますが、中国福建省のアモイにある墓石工場を視察したことがあります。アモイは世界中の原石が集まる石材加工の一大拠点で、そこで働くのは地方から出稼ぎでやってきた職人や、家族で住み込みで働く職人。交代制の勤務で、工場としては24時間稼働している状況でした。磨き手はほとんどが女性工員で、黙々と石と向き合っていた姿が印象的だったのですが、それもそのはず、磨いた石の数が給料に直結するので必死なのです。

 何気なく墓石を見ていると当たり前に感じてしまう石の色や模様も、誰かの人生がかかった職人技で支えられているのです。ちなみに、磨くこと以外にも石材には様々な加工技術がありますので、またの機会にご紹介したいと思います。

墓石を磨くのは手間のかかる工程の一つ


 1月8, 2021 お墓と時間

 

 お墓の佇まいを承継させるテーマで取り組むリフォーム工事。佇まいは時間がつくっている部分が大きいので、一から忠実に再現することはできないと、先日のブログに書きました。その続きです。

 建てて間もないお墓と、何十年もの時を経ているお墓とでは、どうしてもお墓から感じられる風合いが違うものです。風合いは、見方によっては石材の変色や汚れとも言えてしまいますが、私はあくまで風合いだと思っています。

 風合いが出てきたお墓こそ、お墓らしいお墓。何十年と風雨に耐えながら外部環境に置かれることで、少しずつ進行する石材の変化。その変化は、気象条件や現場環境などによって、二つとして同じものはないでしょう。

 左の写真は建立後4年が経過した石材です。磨き加工ではないものの、まだまだ変色などは見られず、真新しい印象です。これに対して、写真右のように何十年もの時間が経過したお墓は、自然が作り出した風合い(変色など)によって、味わい深く、重みのある印象に変化していきます。

 すぐに作り出すことができない変化だからこそ、価値があるのです。その時間的な価値がお墓の佇まいをつくっています。こうして考えると、リフォーム工事でお墓の佇まいを承継することの大切さがわかると同時に、その難しさもわかります。

 御影石の外柵であれば、これまでの石材を再用したリフォームプランも検討できるのですが、特に八柱霊園の場合は、御影石ではないコンクリート製品による外柵(人造外柵)も多く、リフォームにあたって御影石による部材を新規で製作する必要があります。

 そのため、お墓の印象が変わってしまうのは否めません。少しでも佇まいを承継できるように、石の加工技術や設計の面でカバーできる部分を考えていくことになります。

石材は経年により変化し、お墓に価値を付加する


 1月7, 2021 緊急事態宣言

 

 新型コロナウイルス感染症拡大により、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を対象とした緊急事態宣言が発出されました。昨年4月に続いての2回目となりますが、ウィズコロナの新しい生活様式が提唱されてきたわけですので、新型コロナが無くなるわけではない、あくまでウィズ(with)なのだから…と、感染の波が拡大するたびにこうなるとは思っていました。

 私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総は、緊急事態宣言が出されようと、日々淡々とお墓づくりにまい進いたします。何人もの従業員やいくつもの営業所を抱える大手の墓石販売会社や、霊園前に店舗を構える古くからの石材店とは違い、サクマサーベイは「墓石工事の小さな設計舎」としての立ち位置を活かし、今年からは本格的にクラウドオフィスを採用。お客様のご都合に合わせて柔軟に動ける業務環境を整備するとともに、自身のテレワークにも適応させました。

 元々サクマサーベイでは、お客様と関わらせていただく場面はすべて、基本的に私ひとりが対応していましたので、コロナリスクに強い一面がありました。今後も私自身の健康管理をしっかりやっていきたいと思います。

 いつまで続くことになるのか、新型コロナ。時は変わらず流れていきます。写真は西日が差し込む利根川河岸の風景。取手にて。

緊急事態宣言となった今日、利根川河岸で空を眺める


 1月6, 2021 1日内業

 

 曇り空で現場へ行く気が…というわけではありませんが、今日は1日内業です。昨日の八柱霊園調査で撮影してきた写真などを整理しながら、お墓リフォーム提案へ向けて、お墓の佇まいとは何か、もう一度考えたりしています。

 お墓の中央にはシンボルとなる石塔があり、正面には「〇〇家之墓」などの文字彫刻。その手前に花立があったり、線香を上げる香炉があったりして、お墓参りの時に手を合わせています。

 石塔の周囲に目をやると、外柵と呼ばれる囲障(羽目)や、お墓の土盛りや納骨室(カロート)を支える土台(根石)があり、墓地区画を明確にしています。墓前の通路から墓地中央に建つ石塔までは、階段があったり敷石が敷かれていたりするでしょう。石塔とは別に、戒名などを刻む墓誌が建てられているお墓もあります。

 主に石材で構成されるこれら以外にも、石塔や階段の脇に植木が植栽されていたり、土の表面に砂利が敷かれているお墓もあります。こうした石材の形や組み方(墓石デザイン)、石材の色(石種)、彫刻文字の書体や配置、植木の樹形や葉の色、砂利の色などが相まって、視覚的に感じられるお墓の佇まいをつくっています。

 しかし、その佇まいを今すぐに一から忠実に再現することはできないでしょう。なぜなら、今あるその佇まいは「時間」がつくったものだからです。お墓と時間は、切っても切れない関係です。

 長くなってしまうので、この続きはまたにしたいと思います。写真は昨日の八柱霊園。

正月の初参りが一段落した八柱霊園の様子


 1月5, 2021 初参り

 

 今日は午前中のうちに、祖父母のお墓がある八柱霊園へ。現場調査と合わせて、新年最初のお墓参り「初参り」をしてきました。供花は松入りの正月仕様です。思えば、子どもの頃は正月に祖父母の家へ遊びに行くのが、楽しみで仕方ありませんでした。今はお墓で祖父母と向き合います。月日はいつの間にか流れてしまいました。

 お墓は家族専用の聖地ですので、神社やお寺への初詣もいいですが、初お墓参りも大切にしたいものです。

 初参りの後は、お墓リフォーム提案のための構想を練るため、引き続き八柱霊園にて調査を行いました。リフォームというと、どこかを直したり、どこかを使いやすくしたりなど、現状よりも改善させることを目的とした工事ですが、今回はそれに加えて「お墓の佇まいを継承させること」も、特に重要なテーマになっています。

 建立してから現在に至るまで、その長い歴史を刻んできたお墓は、それぞれに表情を持っています。単に新しい石材で建て替えるだけでは、機能性は高められても、固有の佇まいを失うことになってしまいます。佇まいを活かした形で、かつ、時代に合わせて墓守の負担を軽減させるリフォーム。

 ご家族の円滑な代替わりのために、お墓のリフォーム工事を大切に考えている石材店ですので、難題ではありますが、しっかりと構想を練り上げていきたいと思います。

松入りの正月用供花で初参り


 1月4, 2021 本店移転

 

 私が代表を務める石材店、設計舎サクマサーベイ北総は、本日より茨城県取手市に本店を移して営業を開始いたしました。創業の地である都立八柱霊園松飛台門近くの松飛台駅前相談ルームは閉鎖し、今後は取手を核にして首都圏6拠点のミーティングスペースを活用した業務体制に変わります。取手に置く本店は、すでに開設していた北関東営業センターと同一住所になり、実質的に業務が一元化されることになります。

 なぜ茨城の取手なのか?これについては、千葉県松戸市にある都立八柱霊園ご利用のお客様にとっては、まったくご縁のない土地柄かもしれませんが、茨城県は稲田石や真壁石などで知られる日本有数の石材産地を抱える県です。私は石材の確認や職人との打合せのため、石材産地へ赴く機会が少なくありません。しかし、お客様との打合せの場を大切にしたいので、東京や松戸から遠く離れるわけにもいきません。そのバランスと交通の利便性を考慮した結果、取手となりました。オンラインですべて満たすことは、どうしてもできないのです。

 茨城県南部の取手市から石材産地の桜川市までは、それでも結構な距離がありますが、道路事情が良いため、取手からだと1時間半もあれば移動することが可能です。これが八柱からとなると、県境を越える移動になるため渋滞で2〜3時間かかってしまいます。一方、取手から八柱霊園の移動であれば、比較的距離が近いため、その点心配ありません。

 取手の事務所もこれまで同様、墓石工事のご相談やお打合せは事前予約制となります。ご予約は設計舎サクマサーベイ北総のウェブサイト内にある送信フォームをご利用いただけます。JR常磐線(上野東京ライン)の取手駅西口から、ペデストリアンデッキで直結した商業施設「リボンとりで」の5階ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

サクマサーベイ新事務所は取手駅前


 1月3, 2021 珪藻土マット

 

 大手家具小売店での珪藻土製品アスベスト混入の件。自主回収の対象となるコースターを我が家でも使用していたため、二重にしたビニール袋に入れて(散々使っていたので今さらかとも思えますが…)、本日回収窓口へ持参。先方の対応は素晴らしく、スムーズに返金対応となりました。

 我が家ではバスマットも珪藻土のものを使用しています。こちらは他社製ですので今回の件とは関係ありませんが、どちらも長年使用していて、珪藻土は優れものだなと思っていました。多孔構造による毛細管現象で、水分を瞬時に吸収してくれます。吸収した水分を空気中に放出するのも早いそうです。カビにくいということでしょうか。コースターやバスマットに最適な素材です。

 それに比べて石材はどうでしょうか。例えば、表面を磨いた石材をコースターとして使用したならば、コップの水滴を瞬時に吸収することができないため、逆にコップを滑らせてしまう原因になります。石材も水を吸収しますが、珪藻土とはその時間があまりにも違います。

 写真左のように、珪藻土マットに落ちた水分は一気に吸水が始まり、2分半も経てば放置しているだけでも、さらさらの感触になります。しかし、写真右の御影石の場合は、10分経っても水分が落ちた時と見た目が変わりません。

 墓石に雨が降れば雨水を吸収することになりますが、そのスピードはゆっくりで、また、石から水が抜け出るのも時間がかかるのです。石の内部に水分が残る時間が長いということは、特に冬季は凍結による膨張で割れなどを生じる可能性も出てきます。できるだけ吸水率の低い石材を選択したほうがいいと言われる理由はそこにあります。もちろん、墓地の日当たりが良いか、日陰になりやすいか、などによっても変わってはきますが。

 珪藻土製品は、吸水力が低下してきた場合、表面を削ることで吸水力を回復させることができるそうです。汚れなどが付着すると、毛細管の役割をしている穴が機能を発揮できなくなるのでしょう。石材も長い時間で考えれば、雨水の浸透とともに石材内部に汚れや化学的成分が浸入し、墓石に変色やサビなどを発生させることもあります。

 珪藻土マットと墓石材。その時間概念は大きく違いますが、水が出入りするのは同じなのです。

珪藻土マットと墓石材の吸水時間比較


 1月2, 2021 初詣

 

 今日は初詣へ行ってきました。2021年は、今年から本格的に仕事の拠点を置くことになる茨城の取手で、と思い、旧水戸街道取手宿にある八坂神社へ参拝してきました。創建は1626年とのことで江戸時代前期、三代将軍家光の時代まで遡ります。

 石屋的には、鳥居から拝殿へと続く石畳の参道両側に並ぶ灯籠に目が行くところではありますが、最も拝殿に近いところに建立されている灯籠は特に歴史を感じさせるもので、1743年建立とのこと。今年で278年の時を重ねていることになります。石は外部環境にさらされながら時間が経つほど味わい深いものになり、風化や変色は劣化ではなく歴史の証明として、その価値を高めているように思えます。

 墓石に関して言えば、外柵であっても御影石の本磨き加工が一般的となり、御施主様からの要望としても「できるだけ汚れないお墓がいい」という流れがある中で、石材の風化や変色をお墓の価値として捉える視点を持つことは、お墓づくりの幅を広げることになります。

 今から15年くらい前になりますが、和歌山県の高野山へ行く機会がありました。言わずと知れた真言宗の総本山、金剛峯寺のある聖地です。ここでは高野山全体が境内という考えになっており、お寺なので境内墓地もあります。そこに建つお墓は戦国武将のお墓であったり、大企業のお墓であったりと、仏教の聖地を感じさせるものでしたが、高野山の神木に囲まれた墓地で苔に覆われながらも建つ墓石を見て、石が汚れているなどとは決して思いませんでした。お墓の存在感や重み、凄み。目に見えないエネルギーのようなものを与えてくれるように感じた記憶があります。

 いずれにしても、ずっと残る仕事をさせてもらっているのが、石屋の仕事です。建てた後のことを考えた提案、今年も大事にしていこうと思います。

今年から新しい拠点となる取手で初詣


 1月1, 2021 謹賀新年

 

 謹んで新春のお慶び申し上げます。サクマ・ユウキです。今年からブログを始めることにしました。石屋として普段感じていることなど、発信していこうと思います。

 昨年は新型コロナウイルス感染症により社会のあらゆる面で変化が生じました。終息の見通しが立っていない今、その社会の変化に対応できるかどうかが問われています。私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総も、2021年から仕事のやり方を大きく変えていくことにしました。社会が大きく変わりつつあるなら、こちらも大きく変わる必要があるわけです。

 創業の地である松飛台の事務所を閉鎖し、本店機能を茨城の取手に移します。この取手の事務所は、様々な業界の起業家が集まるオフィスの一角を利用させてもらうことになり、提携している松戸、船橋、渋谷、汐留、六本木のオフィスと相互利用も可能になります。特定の霊園前に事務所を1つ構えているよりも、首都圏6拠点にミーティングスペースを確保しておく方が業務効率は向上し、お客様の時間も無駄にせずに済みます。

 霊園前に店を構えて、お客様を出迎えることを良しとする従来の(老舗と言っている)石材店ではあり得ないことですが、サクマサーベイでは石材店の既成概念にとらわれることなく、物事を考えていけたらと思っています。2021年は社会の急速な変化に乗り遅れないよう、事業を加速化させていきます。新しい取り組みもスタートさせる計画です。

 さて、今年の関東地方は天候に恵まれて、見事な初日の出を拝むことができました。石屋らしく野墓地のある風景と絡めた1枚を。もう1枚は初日の出の陽光に照らされる筑波山です。本年もどうぞよろしくお願い致します。

野墓地の風景と2020年初日の出初日の出に照らされる筑波山

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