BLOG 年中石屋
設計舎サクマサーベイ北総の代表 サクマ・ユウキが 日々の出来事や墓石のことを綴るブログです

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2021年(令和3年)2の月


 
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 2月28, 2021 月の石

 
 2月も今日で終わりです。昨夜はスノームーンとも呼ばれる満月に照らされた明るい夜でした。

 石屋として、月の石について少々書いてみたいと思います。アメリカのアポロ計画などにより地球に持ち帰られ、その後に研究が進んだ月の石。お墓づくりで石を取り扱うときに「石は自然のもの」とはよく言いますが、月にも石があるように、宇宙空間で誕生した地球の歴史を考えれば、石にはもっと大きな宇宙規模の世界を感じます。

 さて、この機会に色々と調べてみました。夜空を見上げて月を眺めると、明るく見える部分と暗く見える部分があります。これが、うさぎの餅つきに見えるのですが、実際の月では、明るい部分は高地で、暗い部分は海と呼ばれる低地になっています。高地の大部分は斜長石で構成された白っぽい斜長岩からなり、これはマグマが冷却する過程で軽い斜長岩が浮かび上がり固化したことに由来するそうです。一方、低地は黒っぽい玄武岩からなり、これは地下熱により地表面に出たもの。明るく見える部分と暗く見える部分とでは地殻を作っている岩石が違うのです。

 ここまでは教科書的な内容ですが、茨城大学の地質情報活用プロジェクトのウェブサイトに、興味深い記事を見つけました。

 墓石材として質の高い花崗岩で知られる真壁石(まかべいし)。サクマサーベイでも取り扱っている石ですが、真壁石が採れる加波山につながっているのが、茨城県を代表する山であり、日本百名山にも数えられる筑波山。その下半分はやはり花崗岩なのですが、上半分は斑れい岩で、標高が高くなるにつれて斜長石を多く含むようになるそうです。そして、山頂付近ではほぼ斜長石になり、斜長岩とも呼ばれているとのこと。つまり、筑波山頂の石は月と同じ?!というような記事の結びになっています。どうやら、身近なところで月旅行ができるみたいです。興味のある方は下記リンクから記事をご覧下さい。

◎茨城大学地質情報活用プロジェクト ウェブサイト
 「筑波山と月の石の意外な関係」
 → https://sites.google.com/site/geonavipj/geoinfo/info01

 写真は昨日撮影したスノームーン(左)と、いつの日かの筑波山(右)。

スノームーンとも呼ばれる2月の満月月の石と同じ斜長岩からなる筑波山
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 2月27, 2021 石屋の単位

 
 明治時代1891年の度量衡法により、長さの単位がメートルとされるまでは、尺貫法による長さの単位が使われてきました。石材業界では、この尺貫法を今も用いており、「尺」「寸」「分」を長さの単位として、お墓の設計をしたり、墓石の加工をしたりしています。石屋が現場で使用しているコンベックス(メジャー)は、メートル目盛と尺相当目盛が併記されたものです。

 ちなみに、
  1尺≒30.30cm
  1寸≒ 3.03cm
  1分≒ 3.03mm

 現行の計量法には法定計量単位があり、尺貫法を取引や証明に使うことができないため(サクマサーベイでも契約書類はm単位表記です)、あくまで内部的なものに限られますが、江戸時代の計量単位が今に受け継がれています。ちなみに、体積では「切(さい)」を使っており、1切は30cm四方のブロックの大きさで、1尺×1尺×1尺となります。

 公営霊園の工事規定では、間口と奥行の寸法が区画ごとに定められていますが、当然こちらはm単位。そのため、わざわざ尺貫法に換算してお墓の設計をすることになるのですが、この時に端数処理を誤ると、工事規定に違反してしまう可能性もあるので注意しています。

 写真の部材長さは、5寸≒15.15cmです。

石屋が使う尺貫法
   

   

 2月26, 2021 足利の山火事

 
 26日午後、栃木県足利市では市長の記者会見が開かれ、21日に発生し今なお延焼を続ける山火事の状況について説明がありました。東京消防庁をはじめ近隣各県からの応援により、延焼はコントロールできているそうですが、住宅地まで延焼の範囲が迫る中、追加で98世帯(合計305世帯)に避難勧告が出されました。

 同じ26日午後には、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が一部府県で解除になることを受けて、首相のぶら下がり取材が行われましたが、広報官の高額接待問題を追及する記者とのやり取りで見る姿勢、態度―。同じ時間に足利の山で消火活動に奮闘する消防士の方々がいることを考えると、ニュースバリューがあるのか、時間を割いて取り上げることなのか、無駄にしか思えません。国民の多くはすでに気が付いているでしょう。

 足利の山火事で山中の神社が焼失し、火の勢いは北関東自動車道のトンネルの上を越えて広範囲に及んでいるそうです。これまでに何度も訪れたことがある足利は「関東の小京都」とも言われ、渡良瀬川の流れと背後に連なる山々の眺めが美しい街です。市街地と山林が近接しているので、普段は気軽に自然と親しめる環境にあるのですが、こうした山火事が起きてしまうと、生活空間との距離が近いため非常に心配です。写真は2014年10月に足利の街を歩いた時に撮影したものです。

 また、生活空間の端となる山の縁部には墓地が作られることも多いため、航空写真で足利の街を見てみると、やはりいくつかの墓地が確認できました。山は、その土地の景観をつくっているとともに、人々の信仰対象であったり、心のよりどころであったりもします。

 週明けまで、まとまった雨も降らない予報とのことですが、まずは1日も早い鎮火を願うばかりです。

史跡足利学校と足利の街並み市街地のすぐ裏手に山がある足利
   

   

 2月25, 2021 我孫子の古墳群を訪ねて

 
 ここにきて花粉症の症状が出始めました。今日は、アレルギー性鼻炎に効果抜群(個人の感想です)のいつもの薬を買い求めるため、もう10年以上お世話になってる薬局へ。その薬局は千葉県我孫子市にあるのですが、せっかくなので近くのある場所に寄り道をすることに。

 我孫子駅南口からバスに乗り、我孫子中学校バス停で下車。長閑な住宅地を歩くこと数分、ある場所こと「水神山古墳」(写真上2点)を訪ねました。ここは千葉県北西部最大の前方後円墳で、その規模は全長69mにも及びます。古墳は権力者がその力を誇示する意味もあったようですので、手賀沼を望む台地の先端にあるこの古墳は、時の権力者が沼の支配を示したものであると考えられているようです。大和政権とのつながりも指摘されているとのこと。

 続いてすぐ近くにある「前原古墳」(写真下)へ。こちらの古墳は高野山桃山公園内にありますが、現在は地中で保存されているため見ることは出来ません。しかし先ほどの水神山古墳よりも古く、我孫子市内で最古の古墳と考えられているそうです。

 古墳は奈良や大阪など、大和政権に近い土地にあるイメージですが、関東地方にもいくつもの古墳が確認されています。手賀沼沿岸の古墳群もその一つ。それだけ大和政権の力が広範囲に及んでいたのではないでしょうか。

 墓石が建つお墓と違って、古墳の場合は実際に目の前にしても、こんもりと土が盛られているだけにしか見えませんが、死者を祀ってきた埋葬の歴史が今に続いていることを考えながら目を閉じ、古代の風景を想像してみるのも、今の時代でお墓づくりに携わる者として必要な時間かもしれません。そんなことを考えながら、古墳をあとにしました。

我孫子市にある水神山古墳の案内板水神山古墳
手賀沼を望む前原古墳
   

   

 2月24, 2021 区画で決まるお墓のかたち

 
 今月のブログでは、これからの霊園見学シーズンに向けて、霊園選びを「種類」「宗教」「立地」「設備」「環境」「費用」の視点から紹介してきましたが、今日は最後に「区画」について書いてみようと思います。

 それぞれのお墓を建てる区画は、その形態により普通墓地(写真左)と芝生墓地(写真右)などがあり、間口と奥行の寸法により面積が決まっています。当然、正方形の区画もあれば、長方形の区画もあります。間口が狭く奥行が長い区画と、間口が広く奥行が短い区画とでは、同じ面積でも墓石の設計が変わるため、墓石工事で使用する石材の量も変わります。つまり工事費が変わるということです。

 芝生墓地の場合は、墓石周囲の芝生部分を含んだ寸法で区画設定されていることが多いため、実際に建てる墓石の大きさと、使用許可を受けている面積とは、見た目では一致していません。

 普通墓地と芝生墓地の決定的な違いは、外柵設備の有無です。外柵とは区画を明確にしている区画外周に設ける部材で、盛土を留める役割の根石や、石塔の囲いとなる羽目、入口付近の階段や柱などがあります。芝生墓地は外柵がないため、カロート(納骨室)を地下に設け、地上部分は石塔だけで構成されています。そのため、普通墓地よりも芝生墓地の方が工事費を抑えることが可能で、建墓後のメンテナンスが必要な箇所も少なくなります。

 ところで、同じ霊園でも区画によって建てられる墓石が工事規定や使用規則により決められていることがあります。墓石の高さ制限はよくある話ですが、石塔デザインまで決まっていたり、民営霊園では石材を磨き加工のものに制限したり、改葬の際に墓石の持ち込みができなかったりする場合もあります。

 こんなお墓を建てたいというイメージがあるのならば、それに合った霊園、区画を選ばなければならないということになります。だからこそ、霊園選びの前提としてお墓に対するご家族の価値観共有が望ましいのです。そして区画により工事内容や工事費が変わるため、石材店選びも同時に進めます。特に民営霊園は、墓地を申し込むと自動的に石材店が決まってしまいますので、後のトラブルを防ぐためにも、墓石工事のことまで検討してから墓地を決定することが大切です。

外柵と石塔で構成される普通墓地芝生の上に石塔が並ぶ芝生墓地
   

   

 2月23, 2021 お墓の価値を伝えること

 
 今月13日夜に発生した福島県沖を震源とする最大震度6強の地震により多くの被害を受けている福島県浜通りや宮城県南部の沿岸地域。Twitterにも投稿しましたが、一昨日と昨日の地元報道機関の記事によると、墓石の倒壊被害も多数出ているようです。

 東日本大震災から来月11日で10年。あの震災で亡くなった大切な人が眠るお墓も、今回の地震で被害を受けています。早くお墓を直して、3月11日には故人と向き合いこの10年を振り返りたいというご家族の想い。お墓は家族とつながる特別な場所です。

 石材人として何ができるのか。ご家族の特別な場所を守るため、地元石材店では復旧工事に対応しています。そして、いつどこで起こるのかわからないのが地震です。地震への備え、例えばお墓の補修やメンテナンスを適切な時期に提案するのも石材店の役目ですが、私としてはそれ以前に、先祖供養の大切さや、お墓を持つことの価値を伝えることが、石材店の役目だと思っています。

 工事費だけで決めて建てたお墓と、故人を想いながら建てたお墓。結果としてそれが同じ工事費だった時に、どちらのお墓が価値あるお墓になるでしょうか。お墓づくりの提案をするのは石材店です。お墓の価値をご家族と作り上げていくことで、お墓を守るご家族にとって特別なお墓になり得ます。それがメンテナンス意識を高めることにもなると思います。

 今回の地震で倒壊したお墓のすべてがメンテナンス不足だったわけではないでしょう。お墓を大切にしているご家族のお墓までもが、倒壊してしまいました。どんなに備えても、自然のエネルギーに敵わないこともあります。けれどご家族が共有するお墓の価値は、地震にも負けない変わらないものなのです。

価値あるお墓は自然を乗り越える
   

   

 2月22, 2021 墓地取得にかかる費用

 
 かかる費用は、霊園選びで気にされる方も多いかと思います。お墓を新規で建てるには、墓地代+墓石工事代となりますが、ここでは墓地代とされる部分について書いていこうと思います。

 お墓を建てる一つの墓地という土地は、その経営をする地方自治体や宗教法人の土地の中に区割りされた区画の一つです。つまり、墓地を購入すると言っていますが、正確に言うと「墓地の使用権を購入する」ということになり、あくまで使用させてもらう権利を取得しているに過ぎません。そのため、墓じまいで墓地を返還しても、墓地という土地を売却するわけではないので、通常はお金が戻ってくるということはありません。(無縁墓対策として返還を促すために、補助金制度を設けている自治体はあります。)

 むしろ墓じまいでは、墓石を撤去して更地に戻す費用がかかることになります。また、墓地使用中に使用権を転売、転貸することも使用規則で禁止されています。

 この墓地を使用する権利を取得する費用が「永代使用料」と呼ばれるものです。永代使用料は霊園ごとに、またそれぞれの区画(面積)ごとに設定されており、同じ面積でも西向きの区画と東向きの区画とで、永代使用料が異なる場合もあります。そして永代使用料は墓地取得時1回のみ支払います。使用者が亡くなり、お墓を承継させることになっても、新使用者が再度支払う必要はありません。但し名義変更に伴う事務手数料はあるかと思います。

 取得時に一緒にかかるのが「年間管理料」で、永代使用料と同じように霊園の区画ごとに決められています。これは霊園の維持管理(通路、トイレ、休憩室、植栽などの共用部分)に充てられる費用で、墓地を使用している間は毎年決められた時期に支払うことになります。お墓が承継されずに無縁墓になってしまったり、管理料の納付が滞ってしまうと、管理者から墓地使用許可を取り消されてしまいます。

 年間管理料はお墓を守るために、どうしても必要な費用となりますので、墓地申込時には永代使用料よりも、むしろ年間管理料を十分に検討しましょう。代替わりでお墓を承継した次の使用者も支払っていく費用です。一般的な傾向として、民営霊園よりも公営霊園の方が低く設定されています。また、芝生墓地は普通墓地よりもやや割高に設定されています。

 永代使用料は取得時の1回のみですので、取得する時点で設定されている金額を支払えば済みますが、墓地を使用している間ずっと支払う年間管理料は、社会環境の変化や経営主体(自治体や宗教法人など)の都合により、改定されることもあるのがポイントです。

年間管理料で霊園は維持管理される
   

   

 2月21, 2021 霊園の環境

 
 今日は霊園選びの視点を「環境」から見ていきたいと思います。霊園の環境は、立地や設備によって決まってきます。どんな場所にお墓を建てたいか、故人にどんな場所で眠ってもらいたいか、というようなお墓づくりのイメージに直結するもので、はっきりと言葉で言い表せない、霊園を訪れた時に感じる、空気のようなものかもしれません。

 よく言われるのは、自然豊かな場所でどちらかというと静寂に包まれた霊園か、周囲に生活の気配が感じられるような寂しさのない霊園か、という大きく2つの方向性からの選択です。四季折々の変化を見せてくれる自然の中にお墓を建てることも、生活空間から離れていない場所で故人と向き合えるお墓を建てることも、どちらも故人に安らかに眠ってもらいたいという気持ちや、故人を供養していきたいという気持ちは共通していると思います。

 霊園の設備も環境に影響しています。お墓を建てる区画が並ぶだけの霊園ではなく、植栽や芝生などの緑地部分を効果的に取り入れた霊園も少なくありません。最近は公営霊園でも景観に配慮した霊園が増えており、言うなれば納骨場所に限定されていた霊園の機能が、公益性の高い公園としての機能に拡大された格好です。「○○墓地」ではなく「○○公園墓地」という名称の公営霊園もあります。こうした霊園を見ていると、墓地=暗いというイメージは過去のものとなり、現在整備される霊園は、気軽にお参りできる明るい雰囲気が主流になっています。

 霊園の環境はその場所に行ってみないとわかりません。インターネットで情報収集をしていると、見栄えを良くするために画像が加工されていたり、トリミング(切り取り)されていたりすることもあるでしょう。霊園見学で実際に現地を訪れ、その時に受けた印象こそ、本当の霊園の環境です。季節や天候、時間が変われば、また違うと思います。霊園の絞り込みができた段階で、日や時間を変えて何度か見学してみるのもおすすめです。

緑地と区画のバランスが霊園の環境に影響している
   

   

 2月20, 2021 確定申告もオンラインで

 
 コロナ禍だからというわけではありませんが、スマートに利用できるオンラインサービスやシステムがあるのならば、効率の面から利用したいと考えていますので、今週16日から始まった確定申告も当然のようにオンラインで行うこととし、本日送信を完了しました。これは国税庁の「e−Tax」という電子申告・納税システムによるものです。

 多くの人がスムーズに申告できるように研究開発されたであろうオンラインシステムですので、手順通りに進めていけば効率よく送信までたどり着くことができます。作業時間についても、事前の準備さえ整えておけば入力自体は短時間のうちに完了。感じ方に個人差があるかと思いますが、各項目の入力方法や用語説明などのヘルプ機能も充実、紙で申告することを考えれば、申告書作成の負担はかなり小さいものに感じます。そして何より、混雑する税務署に足を運ぶ必要がないのです。

 様々な分野でオンライン化が進んでいます。石材業界はITへの対応が遅れているとの指摘も時にありますが、インターネットの活用やオンラインによるサービスの提案は、スマートフォンを手放せない日常生活を考えれば、決して特別なものではなく、当然求められる時代になっています。

 サクマサーベイとしても、墓石工事のご提案やお打合せの場面で、オンラインで対応できること、あるいはオンラインの方が質を向上できるものは、当然オンラインで進めてまいります。もちろん、現場調査や工事の品質検査など、現場でやるべきことは請負者としての責任でしっかりやっていきますので、これからもよろしくお願い致します。

   

   

 2月19, 2021 小散歩 〜旧水戸街道取手宿と利根川〜

 
 空気が冷たいものの見事な晴天に恵まれた今朝は、絶好の散歩日和。こんな日はどこか遠くの町まで旅に出たくなりますが、不要不急の外出はNGでしょうから、サクマサーベイの事務所近くを歩いてみることに。わずか30分程度の小散歩でしたが、取手駅周辺をぐるりと散歩してきました。

 駅の東口から伸びる芸大通りの1つ目を右折。長禅寺の御山に沿う道が、かつて参詣客で賑わったという「大師通り」です。歓楽街と呼ぶにはあまりにも規模が小さいのですが、ここには飲食店が並んでいます。数分歩くと、写真左上の長禅寺門前に出ます。木々に覆われているのが長禅寺の境内。再開発などで単調な風景になりやすい駅前にもかかわらず、駅前すぐの場所にある長禅寺の御山のおかげで、取手ならではと言える特徴的な風景をつくっています。

 5年前(2016年)の取手ひなまつりのイベントで、長禅寺の石段はアート作品で彩られました。その時に撮影した写真が右上のものです。当時ここを訪れ、石段にスポットを当てたアートに感激した記憶があります。石材とアートのコラボ。石屋として何かのヒントになりそうです。取手市には東京芸大のキャンパスがあるので、芸術のある街づくりを目指す様々なアートプロジェクトが推進されています。

 門前は旧水戸街道取手宿の中心。本陣跡が残るほか、老舗の漬物店や酒造店の建物にもその名残を感じます。利根川水運も相まって発展した経緯から、宿場町としての取手は利根川に沿って形成されており、町を通り抜けるとすぐに利根川の土手へ出られます。

 利根川の流れが見えないほどの広大な河川敷と、そこに架かる長い鉄橋。鉄橋の向こうは千葉県我孫子市となりますが、利根川改修工事の歴史から千葉県側にも取手市の飛び地があり、ここには全国的に見ても貴重な、市営渡し船が対岸とを結んでいます。取手と利根川は切っても切れない関係のようです。

 上野駅から常磐線快速電車で約40分。観光地とまではいきませんが、なかなか興味深いものがたくさんある取手です。お墓や墓石工事のご相談、お打合せでサクマサーベイへお越しになられる機会がございましたら、合わせて取手散策はいかがでしょうか?

門前から長禅寺の石段を望むひなまつりの石段アート(2016年)
スケールが大きい利根川の河川敷に架かる鉄橋
   

   

 2月18, 2021 霊園の設備

 
 霊園選びの視点で、今日は霊園の「設備」に注目したいと思います。いくつかの霊園を比較する時に、墓地の永代使用料や年間管理料は気になるところですが、かかる費用に相応しい霊園なのかどうか、設備面をじっくり検討することが大切です。

 霊園は大きく見れば、墓域とそれ以外で構成されています。墓域はお墓を建てる区画が並び、区画へと至る通路が配置されています。通路は未舗装だったり、砂利敷きだったり、アスファルトやインターロッキングの舗装があったりします。未舗装だと雨の日に泥が跳ねるかもしれませんし、砂利敷きだと車イスやベビーカーを押しての移動がしにくいかもしれません。

 通路の幅も大事なポイントです。車イスでも通れるのか、法要で親戚が集まる時や向かいのお墓とお墓参りのタイミングが一緒になった時に狭くないかなど、様々な場面を想像してみます。通路に段差やスロープはないでしょうか。大したことないと思っても、実際に車イスで移動してみると大変なこともあります。

 墓域以外の設備には、管理事務所、トイレ、休憩室、水汲み場、駐車場、法要設備、売店などが想定されます。管理事務所が霊園内にあり、職員が常駐している霊園であれば、納骨の際に霊園で埋葬手続きが行えます。トイレや休憩室(休憩スペース)は屋内型施設もあれば、屋外の簡易的なものまで様々。きれいに管理されているかがポイントです。

 霊園内の水汲み場の配置や貸出用の手桶の数など、お墓参りで利用しやすくなっているかも見てみましょう。水汲み場は分散してたくさんある方が便利ですが、1箇所しかなくても、駐車場からの入口付近にあれば動線として問題ないかもしれません。

 駐車場はお彼岸などの混雑時でも十分な収容力があるか、お墓までの移動はしやすいか、確認します。民営霊園に見られることが多い屋内型の法要設備が利用できるのであれば、雨天時の法要でも安心です。売店があれば、仏花や線香を購入できるでしょう。

 霊園にいくら設備が整っていても、そのご家族にとって利用しにくければ意味がありません。お墓参りや法要の場面をイメージしながら見学することがポイントです。

駐車場近くに水汲み場と手桶置き場、休憩スペースがコンパクトにまとめられた例公営霊園でも屋内型の休憩施設を持つ霊園もある
   

   

 2月17, 2021 霊園の地形

 
 霊園の「立地」について、霊園そのものがある場所を見ていきたいと思います。これに影響するのが地形。霊園の「環境」にもつながる視点です。

 例えば、写真のような丘陵地にある霊園。高台で見晴らしが良くても、霊園まで歩くのが大変、あるいは霊園内に坂道や階段が多いというようなデメリットがあるかもしれません。この場合は霊園まで直接アクセスできるバスは運行されているか、霊園内は段差や急勾配がないバリアフリー設計になっているかどうか、霊園見学などでよく確認する必要があります。

 山あれば谷ありということで、谷のような窪地にある霊園の場合は、日当たりや水はけをよく確かめる必要があります。特に冬場は日照時間が短くなり、雨上がりにいつまでも通路に水たまりができていたり、墓石が乾かないといったことも考えられます。霊園見学では、すでに建立されている周囲の墓石をよく観察してみましょう。苔が生えていたりすれば、多少なりとも湿潤な環境にあることがわかります。

 もちろんそれが悪いということではありません。以前紹介した高野山の墓地で見た墓石もそうでしたが、苔を纏った墓石からは何とも言えない風合いが感じられます。また、木立に囲まれた霊園では夏の酷暑期に日陰で涼しくお参りできるかもしれません。つまり「どんなお墓にしたいのか」によって、立地の評価も変わるのです。

 お墓の立地は重要です。お墓は建てた後が大事ですと、いつも話をしていますが、時が流れれば自分自身も歳を重ねていくわけです。今は何とも思わなくても、将来お墓参りが大変になってしまっては、お墓参りが遠のいてしまう原因にもなりかねません。次の代を担う子どもにも相談しながら霊園を選ぶことも大切でしょう。

 そうなると、必ずしも自宅からのアクセスだけではないということになります。子どもの生活拠点から考えた方が良いかもしれませんし、あるいは第3の場所も選択肢の1つになってくるかもしれません。

 例えば、家族旅行で行った思い出の場所や、家族のルーツと言える両親の故郷にお墓を建てる選択。どんなお墓にしていくか、やはり霊園選びの前提として、ご家族の価値観共有化は欠かせないことだと思います。

丘陵地にある霊園のイメージ
   

   

 2月16, 2021 霊園までのアクセス

 
 霊園の「立地」については、霊園選びの際に重視する人も多い視点です。立地は自宅などからのアクセスを意味する場合と、霊園そのものがある場所を意味する場合とがあり、分けて考えてみたいと思います。

 まず自宅からのアクセスですが、利用する交通手段と所要時間の問題があります。自宅が駅から離れていれば、普段から車を使う生活でしょうし、お墓参りも車で行くと考えるのが自然です。となれば、駅近霊園にこだわる必要はなく、むしろ郊外の広い駐車場がある霊園のほうがライフスタイルに合っているのではないでしょうか。駐車場がない駅近の霊園・墓地にしてしまうと、駐車料金などの余計な費用負担が発生してくるかもしれません。写真のように、車でのお墓参りを前提とした設計がされている霊園もあります。

 逆に日頃から鉄道やバスを利用する生活を送っているのならば、駅から歩いて行ける霊園や、バスの本数が多くアクセスしやすい霊園を選ぶことになるでしょう。所要時間は短いに越したことはありませんが、乗換なしで行けたりすると、少々距離があっても意外とアクセスしやすい場合もあります。

 東京23区で言えば、品川区や大田区。23区でも神奈川県に近いこの2区ですが、京急線や都営浅草線の駅を利用する方は、千葉県松戸市にある都立八柱霊園(最寄駅:松飛台駅または東松戸駅)まで、乗り換えなしの1本でアクセスすることも可能です。最近は各鉄道会社の枠を超えた相互乗り入れが増えていますので、意外なところで希望の霊園が見つかるかもしれません。

続きは次回です。

車でのお墓参りに便利な霊園
   

   

 2月15, 2021 雨の日に考える

 
 雨の1日です。お墓の雨対策は十分ですか? 昨日のブログにも書きましたが、石材の接合部である目地(コーキング目地)の劣化をそのままにしていると、そこから雨水が入り込み、接着強度の低下につながる原因にもなります。目地以外にも、カロート(納骨室)のふた石となる拝石という部材の設置構造や、敷石の排水勾配、防草コンクリート工事の排水機能など、設計や施工にかかわるポイントも数多くあります。

 屋外に建てられるお墓ですので、雨に打たれることは避けられず、長い目で見れば少しずつ汚れや水垢が付着したり、石の変色やつや落ちが見られたりするようになります。こういった変化は、お墓に歴史的な風合いや重みが備わったとの見方もできるので、個人的には自然現象として許容される部分については受け入れるべきものだと考えています(一応、墓石クリーニングや磨き直しなどの技術も存在します)。

 一方で、石種によっては吸水しやすい石、水はけの悪い石というのもありますので、これからお墓を建てる予定がある方で気になる方は、石選びの段階で吸水率の少ない石、つまりは変色や汚れへのリスクが小さい石、あるいは経年変化が目立たない石を選ぶことも選択肢になるでしょう。

 雨の問題はそれぞれのお墓、墓石だけではありません。お墓参りに行くということを考えれば、お墓が建つ霊園や墓地の状態も重要です。墓前の通路が舗装されていない霊園では、雨の日にお参りへ行くと足元がぬかるみ、靴を汚してしまうかもしれません。芝生墓地も雨の日には不向きです。

 墓地探しで霊園見学をする場合は、申し込む前に雨の日の見学もおすすめします。通路が舗装されている霊園でも、部分的に舗装が傷んでいると、写真のように水たまりができてしまいます。また、季節による霊園の変化を想像することも大切です。例えば、秋の落ち葉、春に散った桜の花びらなど、それらが原因で排水溝が詰まり、通路に滞水する事も。これは霊園側の管理の問題と言えますが、こうしたことを体感するためにも、駐車場から区画までのアプローチを実際に歩き、足元の状態を確認してみて下さい。

 お墓参りは「雨の日に行かないから問題ない」で済むかもしれませんが、日取りを決めてしまった法要など、親戚の方々に事前に案内し、一同が集まる場面が出てくるのもお墓です。「雨だから...」と、言っていられないこともあるでしょう。

舗装不良で滞水した霊園内の通路
   

   

 2月14, 2021 昨夜の地震から

 
 昨夜23時過ぎに発生した福島県沖を震源とする地震は、最大震度6強を観測し、首都圏でもやや強い横揺れが続きました。この地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。

 石屋として、このタイミングでお墓と地震について少し書いておこうかと思います。お墓の耐震性は、その施工方法や墓石の形状などによるところが大きく、業界団体が中心となって耐震性を評価するための実験も行われています。実験の詳細はここではとても書き切れませんので割愛しますが、一般的に思われているイメージとの相違点や、誤解される点について触れたいと思います。

 「背の高い和型(いわゆる日本のお墓のイメージになっている石塔)は倒れやすいから、背の低い洋型にしたい」とおっしゃる方がいます。確かに、墓石の形状から言えば、特に和型の竿石(「〇〇家之墓」などが彫刻してある最上部の石)は、接着面(下面)の面積に対して高さがあるため重心が高く、横からの力に対しては、横広で高さが低い洋型よりも倒れやすいと言えます。

 しかし地震の揺れは横揺れだけではありません。私は地震の専門家ではありませんが、例えば直下型の縦振動はすぐに思い浮かびます。地震のメカニズムや地質的な問題の違いによって揺れ方が変わり、様々な物理的運動を物体に引き起こすのでしょう。一概に和型のお墓が倒れやすいとは言えないわけです。

 お墓の施工方法は時代とともに、かつてのモルタル接着から、石材用弾性接着ボンドによる接着へと移行し、地震の揺れを吸収させる考えになりました。ボンドによる接着は実験でも十分な耐震性が確認されています。もちろん適切な塗布量、塗布面積で施工した場合ですが。

 耐震性のあるお墓とは、耐震施工をしたかどうかとは別に、「接着強度を維持しているお墓である」と言い換えることができ、つまりは建てた後に適切なメンテナンスがなされているかどうかにかかっている部分も大きいのです。洋型のお墓でも、目地が劣化したまま放置し、接合部に雨水が入るなどして接着強度が低下した状態にあれば、墓石がずれたり傾いたりするでしょう。

 メンテナンスを考える際も、目地を補修するだけでよい段階なのか、石塔を据え直して接着し直す必要がある段階なのか、その判断も大事です。これは石屋でなければ難しいところですので、不安のある方は石材店に問い合わせたほうがよろしいかと思います。

 私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総でも、都立八柱霊園を中心に、どちらの石材店で建てたお墓であっても、お墓の診断を受け付けておりますので、お気軽にご利用ください。地震に備えるためにも、建てた後のメンテナンスに目を向けていただければ幸いです。

 写真は劣化が進んだモルタル目地です。(参考)

建立後に適切な時期で必要となる目地補修
   

   

 2月13, 2021 霊園選びと宗教

 
 日本人の宗教観が変化しても、葬儀やお墓の場面では宗教との関係が強いものです。例えば、普段は宗教を持っていないという方でも、お葬式では葬儀社の紹介でどこかの住職に読経をお願いして仏教式で執り行ったり、住職に故人の戒名をつけてもらい、お墓に彫刻したりもします。

 自分の家の宗教はご存じですか?「うちは仏教」という方、宗旨宗派はわかりますか? 天台宗、真言宗、浄土真宗、曹洞宗、日蓮宗... さらに言えば、空海(弘法大師)が開いた真言宗には、智山派、豊山派など18ほどの宗派があります。親鸞による浄土真宗も、本願寺派や大谷派など、いくつもに分かれています。檀家離れが進んだ現代、菩提寺を持たない方はわからなくなってしまったかもしれません。

 さて、墓地選びの話に戻りますが、「宗教」の視点から見てみると、宗教の制限がない公営霊園や、檀家のための寺墓地であれば問題が出てきませんが、民営霊園の場合は、墓地選びで十分に注意する必要があります。

 民営霊園の案内を見ると、「宗教不問」や「宗旨宗派不問」などと掲載されています。同じように見えるこの2つ、じつはその意味に大きな違いがあります。「宗教不問」は仏教でも、神道でも、キリスト教でも、新興宗教でも、宗教は問いませんという意味です。しかし「宗旨宗派不問」の場合は、あくまで仏教の中での話になることが一般的で、つまり神道やキリスト教の方は申し込むことができないことになります。

 仏教の中でも在来仏教に限定しているケースや、稀なケースとなりますが、「過去の宗旨宗派は問いません」とあれば、墓地申込にあたり改宗を求められる、檀家になることを条件にしている、ということが考えられます。

 いずれにしても、霊園の申込みにあたっては墓地の使用規則を確認することが大事です。そしてわからないこと、不安なことは、霊園の管理事務所や販売を行っている石材店の担当者に直接聞くことです。宗教の問題は、親戚間でのトラブルの原因になったり、その後の金銭的な負担に影響する場合もありますので、慎重に進めましょう。

 写真は黄昏時に浮かび上がる五輪塔のシルエット。八柱霊園にて。

お墓と宗教の関わりイメージ
   

   

 2月12, 2021 茨城の梅

 
 茨城県にある日本三名園の一つ、偕楽園で明日2月13日(土)から予定されていた「第125回水戸の梅まつり」は、新型コロナウイルス感染症拡大による茨城県独自の緊急事態宣言の影響により、開催が延期になってしまいました(入園自体は可能です)。2月8日現在で17%の開花状況ですので、園内が華やかに色づく最盛期はもう少し先かと思われますが、新型コロナ次第でどうなってしまうのか気になるところです。同じ理由で、13日から開催予定の「第48回筑波山梅まつり」も開催延期です。

 茨城県の県木でもある梅(ウメ)。それだけに県内には梅の名所が数多くあるようで、私の事務所がある取手にもあります。今日はお墓ネタを離れて、梅の名所を紹介したいと思います。

 取手駅東口を出て左、坂道を上がったところは「台宿」という地名が示す通り、駅周辺では長禅寺境内とともに、突出して高台になっています。その高台にある取手一高の裏手、閑静な住宅街の一角に梅の名所はあります。

 井野天満神社。天満宮なので菅原道真を祀った学問の神様です。そして梅の木もたくさん植えられています。今日訪れてみるとロウバイの花はすでに終盤となり、替わって春を告げる梅の花がわずかながら咲き始めていました。カメラを持った参拝客もちらほら。春が待ち遠しい気持ちは皆同じようです。

 ここ井野天満神社は境内に梅園があり、きれいに手入れされています。梅以外にも四季を感じさせる様々な植物が植えられており、参拝プラス散策の場として、市民に親しまれています。河津桜もつぼみが膨らんできており、間もなく色づくことでしょう。

 季節の変化を感じながら生活する、そして仕事をする。これは大切なことではないでしょうか。ソーシャルディスタンスに配慮しながら、できるだけその時間を取り入れていきたいと思っています。

梅が咲き始めた取手市の井野天満神社
   

   

 2月11, 2021 メリットの多い公営霊園

 
 霊園選びの視点となる霊園の「種類」には、主に公営霊園、民営霊園、寺墓地とがありますが、今日は公営霊園の特徴について書きたいと思います。

 私が代表を務める設計舎サクマサーベイ北総は、公営霊園での墓石工事に特化した石材店ですので、ウェブサイトにも公営霊園のことは色々と記載していますが、まず、民営霊園や寺墓地との大きな違いは宗教不問であることです。 公営霊園は市町村など自治体による霊園ですので、宗教的要素がありません。宗教がない方でも、どんな宗教を信仰している方でも、利用できます。墓前での法要や納骨の場面で、どこの住職にお願いしても問題ありません。

 そして、一般的に民営霊園よりも永代使用料や年間管理料が低く抑えられている点も公営霊園の魅力です。その分、民営霊園よりも設備面で劣るのかと言えば、最近はそうでもなくなりました。屋内型の休憩施設があったり、通路がインターロッキングで舗装してあったり、景観に配慮した植栽や芝生の広場があったりと、民営霊園との差がほとんどなくなっている、あるいは民営霊園以上のクオリティを感じさせる公営霊園もあります。敷地が広くスケールの大きな霊園があるのも、そこは公営の力でしょう。

 しかし公営霊園は誰でも利用できるわけではありません。各自治体で定める使用者要件を満たす必要があります。例えば、その自治体に○年以上居住していること(これはほとんどの公営霊園で当てはまります)、現在墓地を有していないこと、遺骨を持っていないこと、など自治体により様々です。申込時の遺骨として、改葬遺骨を認めているところもあれば、そうでない霊園もあります。

 永続性の観点からも安心感の大きい公営霊園。墓石工事も好きな石材店を自由に選んですることができます。敢えて弱点を書くのであれば、申込後に抽選で墓地使用者を決定している霊園があるということでしょうか。都市部など民営霊園との価格差が大きなところや、区画の制限が厳しいところでは、申込が集中して高倍率になる霊園もあります。

 写真は、圧倒的なスケールに美しい景観が保たれている公営霊園、宇都宮市営「東の杜公園」です。

スケールの大きさと景観の美しさがある宇都宮市営東の杜公園
   

   

 2月10, 2021 いよいよ大詰めです

 
 昨夏に始動したプロジェクトが大詰めを迎えています。松飛台時代の事務所で企画し、その企画内容をある方々に評価いただいたことで、新しい挑戦の機会を持たせてもらうことになりました。

 何度も打合せを重ねながら1つのものを作り上げていくという、かけがえのない時間。コロナ禍にありながら、とても有意義に取り組めたと思います。ここにきて、ようやく完成形が見えてきました。近いうちにその成果を皆様にお知らせすることができると思います。

 このプロジェクトをきっかけにして、私自身の活動の場を広げていく計画です。石材店の枠にとどまっていると、目まぐるしく変わる社会に適応することができなくなります。

 サクマサーベイのお墓づくり事業をさらに発展させて考えていくこと。それは、お墓づくりのスタンスにもプラスの影響を与えてくれるでしょう。

 写真はプロジェクトの原点となる場所です。

プロジェクトの原点となる田園風景
   

   

 2月9, 2021 お寺が経営する民営霊園

 
 昨日の続きとなりますが、霊園選びについて、まずは霊園の「種類」から見ていきたいと思います。公営霊園、民営霊園、寺墓地。霊園の種類は、大きくこの3つに分類されます。他に地域の共同墓地や、法整備前から存在する野墓地などもあります。

 ところで、「自分の家の敷地に墓地を作ったら余計な費用はかからないし、お墓参りにも便利なのに...」と思う方もいるかもしれません。しかしそれが出来ないのです。日本には「墓地、埋葬等に関する法律」、通称「墓埋法」という法律があり、墓地の設置や埋葬の手続きなどが同法施行規則と合わせて細かく定められています。 この法律により、墓地を設置するためには都道府県知事の許可を受けなければならず、勝手に作ることができないのです。

 そして、墓地の経営は永続性が強く求められる性質から、営利目的の企業は経営主体になれず、民営霊園と言っても経営主体は宗教法人など。実態としては、複数の石材店がお寺と協力して霊園開発を行ない、墓地販売の代行と、独占的に墓石工事を受注できる指定石材店制度により運営がなされています。

 宗教法人が経営しているという意味では民営霊園と寺墓地は同じですが、民営霊園の場合は宗教不問だったり、仏教に限るものの宗旨宗派は問わなかったりします。年間管理料以外に寄付金などは求められないのが通例ですが、法要の際に他のお寺の住職に読経を依頼する場合など、霊園に対して手数料が発生するケースがあります。いずれにしても霊園の使用規則をよく確認することが大切です。

 寺墓地は一般的に境内にある檀家のための墓地ですので、入檀を求められるでしょう。お寺との距離が近くなり供養の面で安心ですが、檀家として寺を支えていくことにもなるのです。つまり、寄付金など金銭的なつながりも考慮しておく必要が出てきます。個人的には、誰もが知るような名刹や、地域を代表する古刹の境内に建てるお墓に憧れますが... 建てた後、それなりのことをしていかなければならないのです。

 次回は公営霊園について触れたいと思います。

寺墓地のイメージ(本文とは関係ありません)
   

   

 2月8, 2021 霊園選びの視点

 
 これから春にかけて、霊園見学には絶好の季節となります。民営霊園では石材店による案内会などが開催され、折り込みチラシを目にすることも増えてくると思います。販売目的の民営霊園案内会の場合は、気軽な気持ちで霊園見学へ行くと、石材店の営業担当者から墓地や墓石の説明などがあって困惑してしまう方もいるかもしれませんが(墓地の申込予約を勧めてくる場合も)、せっかくですので色々と質問してみるのも悪くはないと思います。

 その点公営霊園の場合は、散策気分で自由に霊園の様子を見て回ることができるでしょう。広々とした敷地と自然を有する霊園では、公園と変わらぬ雰囲気もあります。これからの季節、桜の花や新緑の下を歩きながら、お墓づくりのイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。

 さて、具体的に霊園選びはどのように進めていけばよいのでしょうか。これにはいくつかの視点がありますので、紹介したいと思います。

 まず霊園の「種類」があります。公営霊園なのか民営霊園なのか寺墓地なのか。そこには「宗教」が関わっています。公営霊園は宗教自由、民営霊園は霊園の使用規則によります。在来仏教に限る霊園や、特定の宗旨宗派以外は法要の際に手数料がかかる霊園など、注意が必要な点です。寺墓地の場合は、原則お寺の檀家になる必要があるでしょう。

 そして重視する方も多い霊園の「立地」。自宅や最寄り駅からの距離や時間は、お墓参りのことを考えれば大事なことです。霊園の「設備」も場所により様々。駐車場の広さ、休憩室やトイレ、法要設備の有無。バリアフリーに対応しているのかどうか。通路は歩きやすく舗装されているのか。等々。

 他に霊園の「環境」も気になるところです。明るい都市的な雰囲気なのか、緑に囲まれた自然豊かな雰囲気なのか。かかる「費用」も霊園によって違います。永代使用料や年間管理料、名義変更などの諸手続き費用。墓地の「区画」によって墓石工事費も当然変わります。面積の違いや、普通墓地・芝生墓地といった形式の違いが影響してきます。

 大まかに書いてもこれだけの視点がある霊園選び。長くなってしまいますので、それぞれの視点についての詳細は、別に書いていきたいと思います。

霊園の環境イメージ霊園の設備イメージ
   

   

 2月7, 2021 早朝の寺町を歩く

 
 日の出前、東の空が明るくなり始めた6時半頃、散歩へ出ました。冷え込んだ朝の空気に身が引き締まります。デスクワークや時間に不規則な日が続いた時は、健康管理を意識して歩くようにしています。

 3つの寺院が集まり、さながら寺町のような風景が見られる私の自宅周辺。お寺なので境内墓地もあります。建ち並ぶ墓石は、夜明けとともに陽光に照らされ、輝き出します。その風景は1日の始まりを告げるとともに、何か新しいことが生まれる、そんなエネルギーのようなものを与えてくれる気がします。

 歩いていると小さな発見も。特に季節感を得られます。自然を感じる事で、仕事のヒントが生まれることもあります。自然が生み出す様々な現象は、理由があるからそうなるわけです。それは意外とシンプルな原理に基づいていることもあります。

 現状に対して、そうなった理由を考えること。経年により変化するお墓をリフォームする時の思考回路に通じる部分だと思います。理由を知らなければ、改善するための効果的なリフォームにはなりません。新規で建てるお墓も同じです。つまり、そうならないようにするためのお墓を建てるということ。

 これからも石屋として必要な思考を大切にし、日々鍛え続けていきます。

早朝の散歩で出会う風景
   

   

 2月6, 2021 一足早く

 
 一般的に日本人は桜に好印象を持っていると言われます。開花するのはもう少し先となりますが、今くらいの時期になると様々な業界で桜を取り入れた期間限定商品や、期間限定パッケージの商品が出るようになります。

 日常生活に身近な食品業界は特にその傾向が強いようで、飲料や菓子など、すでに桜デザインのパッケージで店頭に並び出しています。中身が同じ商品でも、ついつい桜模様の方を手に取ってしまう日本人の心理。やはり日本人にとって桜は特別なのでしょう。

 お墓と桜もどういうわけか、よく似合います。そして、故人と桜の思い出があるという方も少なくないと思います。桜が植えられている霊園・墓地は多くあり、私と関わりの深い都立八柱霊園も、霊園内には歴史を感じさせる立派な桜の木が至る所に。開花時期には美しい景観をつくってくれます。

 サクマサーベイのウェブサイトも一足早く、春の装いを取り入れました。春のお彼岸に合わせての「八柱霊園お墓参り情報」のページを早々と公開し、昨年の春に私が撮影した桜の写真を数点ですが掲載しています。

 お彼岸期間中の開門時間延長の発表が霊園から出されていないことなどもあり、現時点では情報ページとして不十分な内容となっていますが、後日更新させる考えです。

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が今後どうなっていくのかわかりませんが、春のお彼岸、そして桜の季節...お墓参りできることを願って。

美しい桜に彩られる八柱霊園
   

   

 2月5, 2021 無縁化の問題

 
 八柱霊園を歩いていると、至る所で目にする写真のような立て看板。看板が立てられているお墓は、雑草や雑木が生い茂っていたり、墓石が傾いていたりと、荒れ果てていることがほとんどです。もう何年も、誰もお墓参りに来ていないのでしょうか。

 左の看板は、管理料が滞納されていたり、墓地使用者と連絡が取れない状況になったお墓です。この状況が改善されないと、右の看板のように、墓地管理者(八柱霊園の場合は東京都知事)の名前で、「1年以内に申し出がなければ無縁墓として改葬します」と最後通告がなされてしまいます。これは「墓地、埋葬等に関する法律施行規則」の定めに基づく手続きの一環です。管理料を払わないのなら、墓地は使用できないということです。

 無縁墓として整理された墓地は、返還区画として再募集の対象になります。墓地使用の権利を取得するための永代使用料の支払いは、申込時の1回のみ。名義変更しても発生しません。管理料が滞納状態の墓地を速やかに整理し、新しい使用者に貸付することは、墓地管理者として財政面を考えれば当然の動きです。

 その際、面積の大きい返還区画を分割して、2u程度の小区画で募集することは、社会のニーズに合わせるためでもありますが、霊園としても墓地使用者数を増やすことは、収入面での安定につながるのでしょう。

 なぜ無縁墓になってしまったのか?日本中で社会問題化している無縁墓。お墓に携わる者として、正面から向き合って考えていかなければならないことです。「少子高齢化社会」「人口減少社会」というキーワードだけで片付けることはできません。もっと大きなものが背後にあるはずです。

 このブログでも、機会あるごとに掘り下げていこうと思います。

八柱霊園で見かける立て看板無縁化による改葬を知らせる看板
   

   

 2月4, 2021 Googlemapの活用

 
 昨日は出先から八柱霊園へ向かったため、車ではなく電車で行きました。武蔵野線の東松戸駅から歩いて約10分、紙敷門から霊園内へ。点検するお墓の場所までは松飛台駅から歩くのが距離的には最短でしたが、乗り換えとなる北総線の待ち時間を考えれば、東松戸駅から歩いたほうが早かったためです。

 八柱霊園は東京ドームが20個以上入る広大な霊園。どこが最寄り駅なのでしょうか。その答えはお墓の場所(区側)ごとに変わってきます。それを知る時に便利なのがグーグルマップ。目的地に「八柱霊園」と文字入力してしまうと、霊園内までルートが伸びていきませんが、広い霊園内にあるお墓の場所をピンポイントでタップすると、そこを目的地として経路検索することが可能になります。八柱霊園内の車道が道路として認識されているためです。ちなみに霊園内はストリートビューには対応していません。

 例えば、経路検索モードにして、出発地を「八柱駅」と入力、目的地をお墓のある任意の点をタップして指定すれば、駅からの距離や時間がわかります。出発地を「東松戸駅」や「松飛台駅」に変えてみれば、どこの駅が最短なのか確認することができます。スマートフォンユーザーでしたら、一度ぜひお試しください。もしかしたら、今まで最寄り駅だと思っていた駅よりも近い駅が存在するかもしれません。

 利用するにあたっては、お墓の場所が大まかでもわかっていること。区側はわかるけれど地図上だと霊園内のどこにあるかわからない、という方は、都立霊園公式サイト「TOKYO霊園さんぽ」の霊園・葬儀所一覧>八柱霊園>園内マップ>PDFダウンロードから確認できます。やや面倒ですが。

 開門時間にもご注意ください。霊園南側の松飛台門、南門、南中央門、紙敷門などは、北側にある正門側と比べて開門する時間が遅めです。

 個人的におすすめなのは、東松戸駅からのアクセス。紙敷門まで徒歩10分のほか、八柱駅行きの路線バスを利用して「河原塚坂上」で下車すれば西門、「八柱霊園」で下車すれば正門(管理事務所)と、霊園内の大部分をカバーしています。駅としても、武蔵野線、北総線、成田スカイアクセス線の利用が可能で、都心に直結している点も評価できます。

八柱霊園へのアクセスとして利用価値の高い東松戸駅
   

   

 2月3, 2021 越冬後の点検

 
 立春となる今日は早朝に松戸市内での私用を済ませ、その足で八柱霊園へと向かいました。墓石工事をしていただいたお客様の建墓後点検です。設計舎サクマサーベイ北総では、保証書をお渡しするだけの保証制度ではなく、定期点検も合わせて実施しています。昨年に墓石工事をさせていただいたお墓は、冬を乗り越えたこの時期に、第1回目の点検となります。

 なぜ越冬後なのか。石は雨水を吸収するとしばらく石の内部に水を含んだ状態となります。その時に気温が下がり、内部の水が凍結すると膨張するため、石に力を加えます。これが稀に石のヒビや割れにつながるのです。建墓時に気が付かなかった目視できないほどの極めて微小なヒビも、そこを起点として大きなヒビが走ることもあります。

 点検では石に変色などが出ていないか、といった初期の材料状態も注意します。石の汚れも、排水状態などを示していることがあるので、単に汚れていると思わずに観察します。また、施工状態としては、建立後に傾きなどの変位は出ていないか、水準器で水平状態を測定したり、目地の状態を目視により確認します。

 点検へ行くと、何よりお墓の様子がわかります。お花が供えられていると、お墓参りにいらしているんだな...と。お客様の顔も浮かんできます。工事をさせていただいた側が嬉しい気持ちになるのは、言うまでもありません。

晴天に恵まれた立春の八柱霊園現場
   

   

 2月2, 2021 節分なので

 
 124年ぶりに本日2月2日が節分。立春の前日が節分ですが、今年の立春は天文学の計算で2月3日23時59分、1分の差で2月2日節分となるそうです。いよいよ暦の上では春が始まります。

 節分と言えば鬼、これにちなんで石屋らしく石の話題を。鬼に石で鬼石(おにし)という町が群馬県にあります。今は合併して藤岡市の一部になっています。以前私は一度だけ訪れたことがあり、冬桜の名所があったり温泉があったりと、山あいの自然豊かな場所でした。ここを流れる三波川は峡谷を形成しており(写真)、庭石として利用される三波石(さんばせき)が採れます。

 三波石というと青緑色の中に白色の模様を浮かべたものが代表的なイメージですが、色調の系統は原石に起因していくつかあるようです。地質学的には結晶片岩に分類され、地下深くで熱と圧力により岩石が変成されてできたもの。いわゆる「片理」構造を持っているため、平らに割れやすい特性があります。

 そのため、彫刻を施すような墓石にはほぼ利用されませんが、お墓づくりの中でも例えば物置石など、付属品としてワンポイントの利用は事例も多くあります。峡谷で採れた石だけに砂利敷きのお墓との相性も良く、和のテイストをもたらしてくれる三波石。ご参考までに。

三波石の産地、鬼石の三波石峡
 

   

 2月1, 2021 公営霊園の申込み

 
 2月になりました。公営霊園では市町村の会計年度末となる3月を一区切りとして、公営霊園の使用者募集が行われているところもあります。4月以降も継続して、同じ募集要項のもとで募集が行われる市町村もあると思いますが、年度末で一旦募集を終了し、来年度になって改めて募集要項が発表される、というところもあります。また、募集を継続する市町村でも、霊園の区画残数や返還数などを考慮したうえ、新年度になって公営霊園の募集要項が更新される可能性はあります。

 期日がはっきりしているところでは、先日ブログで紹介した常総市の神子女霊園の使用申込が2月19日まで、私の事務所からも近い印西市の印西霊園では2月26日までとなっています。ちなみに印西霊園(写真)は、印西市民の他に白井市民も申込可能です。詳しくは「印西地区環境整備事業組合」のウェブサイトにも掲載されています。

 使用申込にあたっては、要件を満たしているかの確認書類を準備する必要があります。住民票や戸籍、祭祀の証明など市町村により様々ですが、それなりに時間がかかることですので、今年度の申込をお考えの方は、余裕をもってご準備ください。

 サクマサーベイでも、4月から5月にかけて各市町村の状況を調査し、ウェブサイト内の公営霊園情報を更新させていく考えです。案内会や墓石のチラシを目にすることが多い民営霊園と違い、公営霊園の場合は管理者が自治体ですので、最新情報は役所にあります。こちらから調査していかないと、わからない点はたくさんあります。公営霊園をご希望の方で、「申し込むのにどういうことを確認したらよいかわからない」という時は、サクマサーベイまでお問い合わせいただいても構いませんので、お気軽にご相談ください。

今年度の申込期間は2月26日までとなる印西霊園
   

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