BLOG 年中石屋
設計舎サクマサーベイ北総の代表 サクマ・ユウキが 日々の出来事や墓石のことを綴るブログです

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2021年(令和3年)5の月


 
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 5月31, 2021 温故知新

 
 私は、供養を続けるために選択される墓じまい、例えば遠方のお墓を墓じまいして、自宅近くに改葬するといったことには肯定的で、むしろ負担を減らすために検討すべきことだと思いますが、守る人が誰もいなくなって放置され、荒れ果ててしまった無縁墓(写真イメージ)を見ると、我が家のお墓ではなくても、なんとも言えない悲しい気持ちになります。

 無縁墓になる前に何とかならなかったものかと。そこには、お墓とのつながりだけではなく、家族や親戚とのつながりが薄れていっている側面もあるのかもしれません。

 先祖代々のお墓は、家族がつながっていくことで守られます。家族のつながりの舞台となるのは、生活の拠点、その土地での暮らしです。そしてその暮らしがあるからこそ守られる美しい故郷の風景があり、その美しい風景は地域の価値を高めます。過疎化の問題と無縁墓化の問題は、根本的な部分を同じくしています。だからこそ石屋は、地域のことまで考える必要があるのではないかと思うのです。

 地域が活性化されて人やモノが集まるようになると、その土地で暮らしたいと思う人が増えてくるでしょう。人々が生活をすることで、自然や建物などの景観の美しさが守られ、文化が育まれます。それが地域ブランド的な価値を高め、さらなる定住者を呼び込みます。そして、その土地での生活が根づけば、家族が代替わりしてもなお、この土地で暮らしていきたいと思えるようになるかもしれません。こうした環境にあれば、家族のお墓も世代を超えて守られていくでしょう。

 これは、地方から大都市圏への大きな人口移動が起きた高度経済成長期より前の時代へ回帰するかのような考えです。この半世紀ほどの間で、日本人は大切なものを見失ったのでしょうか。時代に合わせた変化をしながらも、古き良き時代をつくったエッセンスを取り入れること。温故知新。これからの街づくりやお墓づくりに必要な視点がこのあたりにありそうです。

荒れ果てた無縁墓のイメージ
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 5月30, 2021 石屋が地域の活性化を考える理由

 
 お墓を守る人がいなくなった無縁墓が増加したり、故郷のお墓を墓じまいして、先祖の遺骨を改葬したいと考える人が増えたりといった昨今のお墓問題。これらは、核家族化による家族構成の変化や、社会全体の少子高齢化、産業構造の変化とそれに伴う就業環境の変化などで、日本人の生活が大きく変わり、かつてのような墓守が成り立たないことに起因しています。

 そして、お墓問題は地方の過疎化問題とも密接に関係していることは明白です。人口流出で過疎化が進むのは、その土地よりも魅力的に思える土地が他にあるからで、生きていく上での現実的な問題として、仕事を求めて都市部へ出たケースは、まさにそれです。また、社会が豊かになる過程で価値観の多様化も進み、かつては親の仕事を継ぐのが当然と考えていた家も、今では子ども自身の考えで職業や住まいを選択し、自立していくのが一般的に思えます。

 子どもが実家を離れ、親だけの生活に。やがて親が亡くなり、お墓だけが故郷に残っているという場合、お墓を守る人が近くにいない事態に陥ります。このことがお墓(故人)との心の距離まで離すことになりかねず、お墓の無縁化や供養放棄的な墓じまいにつながってしまう懸念があるのです。

 だからこそ、この地で歴史を繋いでいくご家族が少しでも増えるように、地域の活性化を考えることは、お墓づくりを通じてご家族の供養の場を支える石材人として、意味のあることです。

 過疎化から脱却するには、他の土地にはない魅力を備え、ここで暮らしていきたいと思える人を増やさなければなりません。そのためには仕事場があったり、生活の利便性(交通や買い物など)が確保されていたり、社会基盤が整っていることが前提としてありますが、それだけではなく、地域ブランドのような、人を惹き付ける個性も必要になるでしょう。価値観の多様化は、過疎化に悩む地方にとって悪いことばかりではなく、逆に地方の地域ブランドに価値を感じ、都市部から移住してくる人もいるのですから。

 続きは次回です。 ※写真は空洞化が進む地方都市の中心市街地イメージ

地方都市の商店街イメージ
   

   

 5月29, 2021 過疎地の活性化

 
 取手から利根川を下ったところに位置する利根町は、東京への通勤圏でありながら過疎地に指定されている町。かつてはベッドタウンとして宅地開発が進み人口が急増した町ですが、少子化に加え、鉄道が走っていない地理的不利条件もあり、今は急激な高齢化に直面しています。この地にマイホームを構えたご夫婦の子ども世代の多くが、就職や結婚などで町を離れてしまったのです。

 私の著書『つながる墓じまい 断ち切る墓じまい』でも、過疎地のお墓事情を取り上げており、ここ利根町についても触れていますが、町の衰退により活力が奪われれば、人口減少に歯止めがかからなくなってしまいます。こうした中様々なアイデアで町を活性化させる取り組みが行なわれています。今日はその1つ「とねマルシェ」が開催されるということで、行ってみました。

 ハンドメイドの雑貨や、地元飲食店の出店など40店ほどが参加した今回のマルシェは、コロナ禍ということもありマスク着用、ソーシャルディスタンスを確保した屋外で開催。会場内の飲食も原則禁止とのアナウンスがされていました。現在、茨城県は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用外ということもありますが、今日のマルシェを体感し、中途半端に自粛するくらいなら、正々堂々3密を回避した新しい生活様式で、メリハリをつけた行動をした方がいいと思いました。

 会場には地元の方々を中心に、家族連れなどで多くの来場者がありました。このマルシェが開催されていなければ、曇り空の下、コロナ禍の何ともやるせない空気が流れているに過ぎない1日だったはず。地域に賑わいをつくり町を活性化させること。これを続けることで、さらに人や物が集まる町になってきます。実際、とねマルシェも開催を重ねるごとに規模が大きくなってきているようです。

 無縁墓に墓じまい...石屋と言えども、お墓のことばかりではなく、地域の活性化をも考えなければならない時代に入っています。これについては、また。

とねマルシェの様子
   

   

 5月28, 2021 傾きの違い

 
 写真左は傾いてしまった塔婆立。そして写真右は傾いてしまった外柵(階段や羽目)です。赤いラインが垂直・水平の基準となる線で、青いラインが現況の部材が位置するラインです。

 左の塔婆立を例にすると、墓所内で塔婆立だけが傾いている状況。石塔の方へ前かがみに傾いてきていることがわかります。塔婆立は供養のために卒塔婆を立てる支えとする部分です。以前にもブログで紹介しましたが、立てられた長い卒塔婆が風の影響を受けると、塔婆立に負担がかかり、経年劣化した塔婆立が傾く、というケースはよく見られます。

 この塔婆立は柱を土盛り部分に埋め込み、モルタルなどで固定したもの。外柵と一体的に建てて、塔婆立を目地で固定することもありますが、都立霊園のように工事規定で羽目への組み込みが認められていなかったり、面積の大きな墓所で外柵と石塔が離れていたりすると、独立した塔婆立を設置することも。メンテナンスの具合にもよりますが、古いお墓ではこのように傾いている例が数多あります。

 写真右の外柵はどうでしょうか。お墓に向かって右側から左側へと、外柵全体が斜めになっています。この傾きは、塔婆立の例のように、ある部材に限定したものではなく、墓所全体に影響しているもので、基礎も傾いていることになります。つまり、基礎が一部で沈下しているのです。緑色で丸をつけた階段両脇角を比較すると、その沈下量も見て取れます。

 部材の傾きだけか、基礎の傾きまであるのか。この違いで、修繕工事の範囲は大きく変わってきます。

   

   

 5月27, 2021 松飛台駅前にオープン

 
 お墓参りに供花は欠かせません。お参りに行く時は霊園までの道中どこかで仏花を買うことにしている、という方は多いと思います。特に鉄道を利用する場合は、霊園の最寄り駅周辺か、霊園近くになるでしょうか。

 都内からのお参り客が多く、かつ鉄道でのアクセスに恵まれている都立八柱霊園を例にすると、電車でのお墓参りも一般的。八柱駅から正門や西門へ向かう方は、門前に並ぶ石材店で仏花を買うことができますし、八柱駅近くの生花店を利用することもできます。東松戸駅から紙敷門や南中央門へ向かう場合でも、駅前のスーパーマーケットなどで買い求めることができます。

 しかし、最も霊園に近い松飛台駅は、住宅街に立地していることもあり、周辺に商業施設が極めて少ないところ。昨年5月には、駅前唯一のスーパーマーケットも閉店してしまいました。以来、霊園までの道にあるコンビニ1店に頼るしかない状況が続いていましたが、先週ようやく、1年ぶりに駅前スーパーマーケットが別会社によって復活(写真)。本日様子を拝見しに行きましたら入口すぐに生花コーナーが設けられており、仏花の取扱いもありました。駅前ということもあり、お墓参りで気軽に利用できそうです。このスーパーのおかげで、松飛台駅も霊園最寄駅としての機能が向上したと言えるでしょう。

 霊園の価値は、その霊園がある地域の魅力や活力にも影響されるのではないかと思います。自然や街並みといった景観が地域のイメージをつくり、交通や商業施設が人の交流をつくる。地域の価値が高まると、そこにある霊園の価値も高まります。その意味では、霊園案内を承る石屋として、霊園がある地域の事情を把握しておくことは、理想の墓地探しをサポートする上で、とても大切なことだと考えます。

松飛台駅前にオープンしたスーパーマーケット
   

   

 5月26, 2021 動かない石

 
 サクマサーベイという石屋らしくない屋号は、創業時に石材店と土地家屋調査士事務所を併設していた名残です。サーベイ(SURVEY)は調査・測量。測量と言えば、測量機器を覗いている測量士の姿を道路などで見かけたことがあるでしょうか。測量をしていると通り掛かりのご近所の方から「何か公共事業が始まるのか?」などと尋ねられることもよくありましたが、民有地の境界確定測量(登記されている土地の位置を確認する測量)であっても、道路を含めて広範囲に測量する必要があったりもするのです。

 民有地の測量は、例えば土地を分けて一部の所有権を移転したい場合や、土地の売買にあたって正確な面積を算出したい時などに行われます。その時に確認するのが隣接土地との境界(筆界)です。境界点には境界標が設置されていることが多く、コンクリート製の杭(写真左)や、プラスチック製の杭などがあります。

 なかには境界点と思われるところを掘り起こすと、地中深くから御影石製の古い境界杭が出てくることもあります(写真右)。境界杭は動かないことが役割。かつては重くてそう簡単に動かせない、動かない御影石が、境界杭として使用されることもあったのです。

 風雨に耐えながら、ずっとそこに存在し続ける。石屋としてお墓を見ているとなおさら感じますが、時の流れの中で、変わらぬ姿を貫く頼もしいイメージが石にはあります。動じることなく、家族を見守りながら世代を超えて建ち続けるお墓が、石で建てられる意味もわかる気がします。

コンクリート製の境界杭古い御影石の境界杭
   

   

 5月25, 2021 お墓参りでの感染対策

 
 お墓参りは屋外で、基本的に家族単位で行なわれることですので、新型コロナ対策で呼びかけられている3密の回避という意味では、問題が無いように思えます。どちらかというと、行き帰りの移動の場面であったり、飲食店などでの食事休憩の場面などで、注意が必要になるでしょう。移動に関して言えば、できることならば電車やバスではなく、自家用車での移動の方が安心です。食事はお墓参りの時に限ったことではありませんが、手洗いと消毒、室内の換気(これは店舗側の対応ですが)、そしてソーシャルディスタンスの確保は欠かせません。

 では、霊園内ではどんなことに気を付けるべきなのでしょうか。様々な場面を考えてみると、注意が必要なのは、他人と接点を持つことになるトイレや水汲み場だと思います。もちろん、私は感染症の研究者でも医療従事者でもありません。あくまで石屋が考えることですので、ご参考までに。

 このうち、屋外にある水汲み場は、一般的には公園にあるタイプと同じで、蛇口をひねるか、押すかをして利用します。他人と同じ場所を触ることになるわけです。しかし、お墓参りは屋外作業を伴うため、暑さ対策のためにマスクを着用しない人もいるでしょうし、そのまま水汲み場を利用する人もいると思います。

 トイレのように手を洗うことが目的であれば、感染症に対する警戒も自然なものになりますが、霊園の水汲み場では、花筒を洗ったり、手桶に水を汲んだりすることが目的になるので、そちらに気を取られてしまいがちです。貸出用に置いてある手桶も、使用する度に消毒しているとは言い難いです。消毒用のスプレーや除菌シートなどを持参すると、便利で安心かもしれません。思わぬところで感染しないように、念には念を。

他人との接点がある水汲み場
   

   

 5月24, 2021 コロナ禍のお墓参り

 
 昨年に始まった新型コロナウイスル感染症の蔓延は、なお終息の気配を見せておらず、感染者数や死亡者数の報道が連日続いています。医療体制の逼迫や感染者数の顕著な増加傾向が見られる一部都道府県に出されている緊急事態宣言。その期間を延長するのか、そして東京オリンピック・パラリンピックはどうするのか、様々な憶測と意見が飛び交っています。

 通勤客で混雑している駅や電車を見ていると、緊急事態宣言といっても、国民の多くに緊急事態の意識がなく、宣言は名ばかりのように感じます。人出もそれなりにあり、店が閉まっているからと自宅で会食する人や、相変わらずマスク無しで出歩く人も。一部業種に対する時短営業や休業要請といった不公平な宣言は早期に止めるべきだというのが、私の意見です。そしてオリパラは中止すべき。それが国際社会への配慮、礼儀だと思います。

 さて、お墓に関することで言えば、昨年以降、親族が大勢集まっての納骨、回忌法要を見送られる方は少なくありません。私は、法要やお墓参りは不要不急の外出だとは思いませんが(心の健康に影響する、生きていくために必要なことだと考えます)、県境をまたぐ行動の自粛が呼びかけられたり、特にご高齢の方は遠出することで感染のリスクが高くなるのではないか、と心配されることでしょう。

 ご家族少人数での納骨や法要に切り替えて執り行った方もいれば、コロナが終息するまで一旦延期とすることで対応された方もいるはずです。もしかしたら、法要の延期に伴って、しばらくお墓へ行っていないという方もいるかもしれません。草木が伸び始め、間もなく雨の多い季節を迎えることになります。率先して勧めることはできませんが、ご家族少人数での3密を避けたお墓参りも、それでお墓の心配を解消できるのなら、1つの考えになるかと思います。

お墓参りイメージ
   

   

 5月23, 2021 聖地で得られるもの

 
 昨日の続きです。どんな時に人は聖地を訪れたいと思うのでしょうか。聖地は宗教的な意味合いを持つ場所ですので、参詣者に精神的な影響を与えます。心が清められ、浄化される作用。聖域(例えば境内)に入った途端、何となくでも心の変化を感じたことは多くの人が経験しているかと思います。これを考えれば、心が行き詰まったとき、苦しいとき、なんとなくスッキリしないときに、ふと聖地へ足が向かうのではないでしょうか。

 それぞれの宗教の教えは、この世と死後の世界の対比によるところがあり、いますべきことを考えさせられます。なぜ自分はここにいるのか、何のために生きているのか、その存在や目的に気づかされることもあるでしょう。 日々の慌ただしい暮らしの中で忘れかけている生きる意味。これを正すことで、大切なことに気づき、気持ちと行動が変化する。聖地巡礼は、人生の困難を乗り越えるきっかけになることもあるはずです。

 お墓も同じ作用をもたらします。墓石を介して故人と向き合うことで自分の存在を肯定し、そこから生きる意味や目的を考える。お墓は時に、生きる活力を取り戻させてくれる場所です。私が「お墓は家族専用の聖地」だと考える理由はここにあります。

 お墓は先祖とつながる場所。つまり、自分がここにいることのルーツを示す場所だとも言えます。ルーツに触れること(お墓参り)で、故人を供養しながら、自身の生きる意味や目的を再確認し、日々の暮らしを人生を、充実させることができるのではないかと思います。お墓を守っている方も、これから建てようとしている方も、お墓を家族専用の聖地として、そのつながりを考えてみてはいかがでしょうか。

お墓は家族にとって聖地そのもの
   

   

 5月22, 2021 聖地巡礼とお墓参り

 
 お墓を「家族専用の聖地」として捉えることを提案しましたが、一般的に聖地と言われるのは、宗教の本山や重要拠点、そしてその創始者に縁のある場所などで、古くから修行の場になっていたり、多くの参詣客を集めたりしているところです(写真はイスラエルのエルサレム)。そこには熱心な信仰心を持つ信者もいれば、物見遊山的な観光客もいるでしょう。訪れる目的は違うかもしれませんが、聖地に惹きつけられた行動であることに変わりはありません。

 日本では、江戸時代に庶民の間でお伊勢参りや大山詣りなど、参詣を目的とした旅が流行し、明治以降になると、柴又や成田山を目指した京成線のように参詣客輸送を目的とした鉄道も開通。そして1990年代以降、京都や奈良の文化財、広島の厳島神社、日光の社寺、紀伊山地の霊場と参詣道と、世界文化遺産への登録が相次いたことで、聖地巡礼の旅が脚光を浴びてきました。

 では、同じくお参りという言葉で表現されるお墓の場合はどうでしょうか。お彼岸やお盆の風習も、古くから続くものです。かつては自宅のすぐ近くにお墓があって(菩提寺の境内墓地や集落墓地など)、日常的にお墓参りをしていたという人は、今よりずっと多かったことでしょう。聖地と言われる神社や寺院を訪れるのは、ときに長旅となる特別なことで、一生に一度のことかもしれませんが、お墓は日常の風景に溶け込む場所にあったがために、特に意識する存在ではなかったのかもしれません。

 それが無意識(当然)の習慣として、家族が代替わりしても受け継がれていくのであれば問題なかったのですが、戦後の高度経済成長を経て、農村部から都市部への人口移動と核家族化が進み、現在の少子高齢化・人口減少社会へと突入していきます。地方では過疎化が深刻で、集落機能を維持できないところも。こうした社会問題を背景に、お墓との距離が次第に離れていき、無縁墓や墓じまいといった問題が表面化しています。

 人々は憧れの聖地を訪れ、何を得るのか。その答えを考えていくと、じつはお墓も同じではないかと思うのです。続きはまたにします。

ユダヤ教の聖地・エルサレムの嘆きの壁
   

   

 5月21, 2021 梅雨の様相

 
 朝から強風吹き荒れ、どんよりとした空が広がっています。近畿や東海地方までは、すでに梅雨入りしたということですが、関東地方の梅雨入りも迫っているような気がします。

 関東地方の梅雨入りは平年であれば6月上旬となりますが、もし5月中の梅雨入りとなれば2011年以来、10年ぶりということになるそうです。自宅のジューンベリーの木にも、赤い実がつき始めました(写真)。その名は6月(June)のベリーなので、やはり梅雨入りは間もなくでしょうか。

 お墓も雨に備えて点検しておくことが大切です。お参りへ行った時に、落ち葉やゴミを取り除いておくことは、排水のことを考えると、最も基本的な雨対策になります。特に、石塔後ろの塔婆立の下や、羽目(囲障)の四隅などは、構造上落ち葉やゴミが溜まりやすくなります。

 その点、開放的な芝生墓地は優れているのですが、雨の日のお参りや墓前での法要のシーンを考えると、雨を含んで濡れている芝生によって、靴が汚れてしまったりすることはあるかもしれません。雨を理由に延期することが難しい法要などでお墓へ行かれるときは、足元対策の準備(靴の汚れを拭き取るものや、替えの靴など)を検討しましょう。

 普通墓地であっても、墓前の通路の整備状態によっては同様です。アスファルトなどで舗装されていれば安心ですが、砂利や土のままの通路を歩く霊園・墓地も少なくありませんので、事前に確認しておくことをお勧めします。

実をつけたジューンベリーの木
   

   

 5月20, 2021 今年度版の公営霊園情報

 
 サクマサーベイウェブサイト内の「公営霊園ご案内」ページですが、残っていた栃木県内の下野市、小山市、栃木市のページ更新作業が完了し、令和3年度の最新情報を盛り込んで、本日公開しました。

 サクマサーベイで霊園のご案内や墓石工事の対応をしている各公営霊園について、現時点での使用者募集状況を下記にまとめますので、ご参考としていただければ幸いです。詳しくは、公営霊園ご案内ページをご覧ください。

《千葉県》
 東京都(松戸市):八柱→例年6月に募集要項発表。
 松戸市(白井市):白井聖地→受付中。(9月30日まで)
 市川市霊園→普通墓地は随時受付中。芝生墓地は例年10月頃。
 印西霊園(印西市・白井市)→受付中。(2月28日まで)

《茨城県》
 利根町営霊園→随時受付中。
 土浦市:並木・国分→なし、募集未定。今泉第一・今泉第二→随時受付中。
 石岡市:龍神山・半ノ木(若干数)→随時受付中。
 小美玉市:美野里→随時受付中。新区画の一部は6月に募集予定。
 水戸市:浜見台(若干数)→随時受付中。堀町→なし、募集未定。
 那珂市:福ヶ平・瓜連冨士→随時受付中。
 常陸大宮市:上村田・若林(若干数)・石沢(若干数)→随時受付中。
 大洗町営公園墓地→随時受付中。
 ひたちなか市:たかのす・高野(若干数)→随時受付中。
        堀口・磯崎→なし、募集未定。
 東海村:須和間霊園→随時受付中。
 常陸太田市:瑞竜・玉造→募集終了、次回未定。
 常総市:神子女→募集終了、次回未定。
 筑西市:明野→なし、募集未定。
     明野富士見(1区画のみ)・協和台原→随時受付中。

《栃木県》
 真岡市:長田→新規区画は随時受付中。熊倉→募集終了、次回未定。
 上三川霊園→随時受付中。
 宇都宮市:東の杜→随時受付中。聖山→5月20日に募集終了、次回未定。
 壬生聖地公園→随時受付中。
 下野市:三昧場・柴木間内・柴南・すがた川→随時受付中。
     国分寺釈迦堂→なし、募集未定。
 小山市:やすらぎの森→随時受付中。
 栃木市:栃木市聖地・都賀聖地→なし、募集未定。

サクマサーベイ「公営霊園ご案内」ページはこちらです。
https://sakuma-survey.com/public.cemetery.html

   

   

 5月19, 2021 お墓は聖地

 
 ここ数日はウェブサイトのことや、公営霊園のことばかり書いてきましたので、今日は趣を変えて書きたいと思います。

 さて、お墓をお持ちの方は、ご家族のなかで、どういう存在でしょうか? お盆やお彼岸などの行動を振り返れば、多くのご家族にとって「故人が眠る場所で、お墓参りへ行く場所」ということになるでしょうか。

 お墓は、故人の遺骨を納める物理的な役割と、故人を供養するという精神的かつ宗教的な役割とが合わさった場所です。物理的な役割があるので、当然ですがお墓は有形。多くのお墓は石材を組み合わせて建てられ、墓石によって遺骨が守られているのです。そして、精神的・宗教的な役割から考えれば、目に見えている墓石とはまた違った無形の財産がお墓にはあると思います。

 この無形の財産こそ、根本的な部分でいうお墓の価値でしょう。お墓参りをして感じるもの、気持ちに変化を与えるもの。これらは精神的な部分に影響を与える目に見えないものです。これと同じような経験をする場所に、神社や寺院があります。熱心に宗教を信仰していない人でも、神社やお寺の境内に入った途端、心地よい清々しさを感じた経験はないでしょうか。

 正月に初詣へ行ったり、旅行の楽しみの一つとしてお寺巡りをしたり、最近では神社の御朱印集めなども流行しています。パワースポットとしてSNSで話題になっている寺社もあります。

 先祖代々のお墓も、お参りする人の心にプラスの影響を与えてくれるパワースポットと考えれば、お墓が単に「お墓参りへ行く場所」ではなく「家族専用の聖地」であることに気がつきます。聖地として捉えると、お墓に対する見方は変わってくるはずです。この続きはまたにしたいと思います。

世界遺産の宮島・厳島神社の風景世界遺産の日光・神橋
   

   

 5月18, 2021 お墓の先を考えること

 
 先日のブログにも書きましたし、ウェブサイトをご覧いただいてお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、サクマサーベイのウェブサイトのデザインが少しだけ変わりました(正確には変わっている途中です)。

 公営霊園ご案内ページの更新がすべて完了すると、旧デザインは見納めとなります。タイトルバーに掲げていた創業時からのキャッチコピー『これからのお墓のこと、家族のこと。いま始める「我が家の代替わり改革」』も、文字としてはウェブサイトから消えることになります。

 しかし、お墓づくりを通じてご家族の代替わりをサポートするという、サクマサーベイの事業テーマは今後も変わりません。親から子へ、その代替わりに備えて、ご家族の価値観を共有しながらお墓を整えていくことは、終活の1つとしても有意義なことです。次代を担う子どもの負担を軽くするために、今あるお墓をリフォームして守りやすいお墓にしたり、改葬してお参りの負担を軽減させたりと、その方法は様々。墓じまいでお墓を持たなくすることが終活ではないのです。供養することで実感する故人とのつながりを、ぜひ代々繋いでいってもらいたいと思います。

 石材店としては、墓石を販売したり、お墓を建てたり、納骨したり、メンテナンスしたり...こうした実作業だけを考えるのではなく、御施主様ご家族や社会のために、お墓の先を見据えた役割を果たしていかなければならないと、私は考えています。やるべきこと、やれることがあるのではないか。既成概念を検証しながら、可能性を広げていきたいと思います。

   

   

 5月17, 2021 明野富士見霊園と聖山公園

 
 サクマサーベイウェブサイト内の「公営霊園ご案内」ページの更新作業を、引き続き実施しました。進捗状況ですが、今日は茨城県内の土浦市、常総市、筑西市と、栃木県内の真岡市、上三川町、宇都宮市、壬生町の公営霊園について調査と更新が完了。残るは下野市、小山市、栃木市の3市となります。近日中に対応したいと思います。

 今日更新した霊園の中では、筑西市の明野富士見霊園(写真左)で、返還区画の再募集が1区画だけですが出ています。この霊園は和型の墓石を建てるエリアと、洋型の墓石を建てるエリアとに分けられており、今回の募集対象は洋型区画です。

 筑西市の協和台原公園墓地や、真岡市の長田霊園、宇都宮市の東の杜公園、壬生町の壬生聖地公園では、昨年までと同様に、新規区画の申込については随時受付を行っています。遺骨の有無など、申込要件は自治体により異なりますので、更新したページなどでご確認下さい。

 宇都宮市の聖山公園(写真右)では、返還区画の使用者再募集が現在行われており、申込は今週5月20日(木)まで。今回は4区画です。返還区画の募集は年に数回予定されていますが、あくまで返還があってのこと。募集にならない時もあります。検討されている方は機会を逃さないよう、進めていただければと思います。

明野富士見霊園の風景聖山公園の風景
   

   

 5月16, 2021 白井聖地公園

 
 今日は返還区画の使用者再募集の受付が始まった「松戸市営白井聖地公園」へ行ってきました。募集要項などが記載されている「申込のしおり」は管理事務所で配布されていますが、今回の対象となる具体的な区画については、現時点で明らかにされていません。例年通りであれば、後日、募集区画に立札が建てられることになるかと思いますが、申込にあたって、任意の希望区画を選択することはできません。選択可能なのは、普通墓地・芝生墓地の別、平地・台地の別、東向・西向の別のみ。これは永代使用料が異なるためです。

 白井聖地公園は松戸市営ながら白井市にある霊園。そのため白井市の方も申し込みが可能です。居住要件も、松戸市〜白井市間の転出入であれば、通算で考えることができます。申込みは9月30日まで。先着順ではなく抽選により決定するので焦る必要はありませんが、締め切り日を失念しないように。

サクマサーベイの「松戸市営白井聖地公園」ページはこちらです。
https://sakuma-survey.com/shiroi.html

 写真は返還区画のイメージです。対象区画が公表されていないため、あくまでイメージですのでご了承ください。芝生墓地のメリットは、墓石工事費やメンテナンスコストを抑えられること。デメリットは、雨の日に足元が濡れてしまうことや、納骨室のスペースが決まっていること。普通墓地のメリットは、墓石設計の自由度が高いこと。デメリットは、芝生墓地よりも費用がかかること。もちろん他にも視点はあります。

 サクマサーベイでは、申込前に霊園のご見学をされる方からの、現地ご案内を承っております。この時、墓石工事のイメージ(特に概算工事費の把握は墓地代と合わせた予算建てをするのに大切です)もご紹介しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

芝生墓地の返還区画イメージ普通墓地の返還区画イメージ
   

   

 5月15, 2021 更新作業は続きます

 
 サクマサーベイウェブサイト内の「公営霊園ご案内」ページの更新作業を続けています。役所調査と同時に進める必要があるため時間を要していますが、昨日ご報告した自治体に加え、千葉県内の市川市霊園、白井聖地公園、印西霊園の3霊園と、茨城県内の石岡市、小美玉市、利根町について、情報の更新を完了しています。残るは、茨城県南西部と栃木県内の各霊園です。もう少々お待ちいただければ幸いです。

 お客様からお問い合わせをいただいた時には、必ず最新情報を確認するようにしていますが、大掛かりな役所調査を実施するタイミングとしては、新年度の人事異動などを経て自治体の担当者が落ち着く5月連休明けの今頃が情報収集に最適で、今年度の募集要項についても、多くの自治体でこの時期になると公表されています。

 先日のブログにも書きましたが、特に返還区画の動向は気にかけています。返還区画の増減は、その年の募集要項やスケジュールにも影響するためです。例えば、受付は先着順なのか、使用者を抽選で決定するのか、申込時に希望する区画を指定できるのか、といったところです。

 明日は現地調査も予定しています。このあたり、最新情報を盛り込みながらご報告できればと思っています。

   

   

 5月14, 2021 公営霊園の動向

 
 4月に募集があり、5月11日に抽選となった常陸太田市の市営霊園の結果を見てみますと、最大規模の瑞竜霊園(写真)では、返還区画6uー8区画、8uー3区画の募集に対して、応募総数はそれぞれ38と8で、じつに当選倍率は6u区画で4.75倍、8u区画で2.66倍と、高水準になりました。公営霊園の需要は、相変わらず高いところで推移しているようです。

 返還区画といっても、申込時に遺骨の有無を問わない霊園の場合は、将来を考えて墓地を取得された方が、一度も墓石を建てたり、納骨したりすることなく、そのまま返還されるケースも見受けられます。常陸太田市の瑞竜霊園の場合ですと、11の募集区画のうち、7区画は未建墓・未納骨でした。

 これは、墓地を取得したものの「お墓はいらない」あるいは「別の場所の方がいい」という使用者の判断で返還されたものと推測できます。永代供養墓などの別の形態を望んだり、子どもが暮らす近くにお墓を建てたいという事情があったり、様々なケースが考えられます。一方で、これからこの地にお墓を建てたいと考えている方にとっては、返還区画が発生するため、公営霊園の墓地を取得できるチャンスが増えてきているとも言えます。

 さて、新年度に入ってすでに1か月以上が経過したため、サクマサーベイのウェブサイト内にある「公営霊園ご案内」ページも、役所調査を踏まえて更新作業を進めています。現時点で、茨城県内の水戸市、ひたちなか市、那珂市、常陸大宮市、常陸太田市、大洗町、東海村にある各公営霊園の情報を更新、公開しました。引き続き作業を進めますので、よろしくお願い致します。

使用者募集に対し高倍率となった瑞竜霊園
   

   

 5月13, 2021 オンラインで役所調査

 
 公営霊園は地方自治体が開設し、運営している霊園。墓地の管理者は自治体です。区画の空き状況や募集要項などは、インターネットで検索すれば様々な情報を入手することができますが、いつの時点の情報なのかは重要です。これから墓地を申し込もうとしたときに、正しい情報が必要なのは当然のことで、情報の鮮度が大事になります。

 少子化・人口減少社会に突入し、承継者がいないといった理由から、遺骨を合葬墓へ改葬してしまうケースなど、墓じまいを検討される方も珍しくない時代になりました。そのため、返還区画の動向などは、日々変動してもおかしくないのです。

 公営霊園の最新情報を入手するためには、各市町村役場の担当課へ直接問い合わせして、担当者と話をすることが、最も信頼できます。とは言っても、何を聞いたらよいのか、専門用語がよくわからない、という方も少なくないと思いますので、私としては、石材店の務めとして自らが役所調査を行ない、それに基づく情報提供を大切に考えています。今日も茨城県内のある自治体の担当者と霊園の状況について話をしました。

 半年前に状況をお聴きした時よりも、返還区画数は増加。空き区画を減らすために、使用者要件の一部を今年度から緩和しているそうです。返還区画数の増加に影響している一つの要因は、合葬墓への改葬とのこと。やはり深刻なようです。自治体としても空き区画が増えれば管理料収入が落ち込み、霊園の維持管理に充てられる予算が少なくなってしまいます。これからのお墓のこと、そして霊園のあり方。課題は山積みです。

   

   

 5月12, 2021 隣接墓所を考慮した設計

 
 返還区画の再募集で墓地の使用許可を受けた時、新規霊園の区画と違って、周囲のお墓がすでに出来上がっていることから、それを考慮したお墓の設計ができることを、昨日の記事では書きました。これについて、もう少し具体的に紹介したいと思います。

 例えば、写真のようなイメージです。左隣、右隣、後方の3方向で隣接している区画には、すでにお墓が建っています。ここにお墓を建てようとする時、まず石塔を据える高さ、すなわち土盛高さをどこに設定するのか、という問題があります。現在のGL(墓前の通路の高さ)を基準に考えるのが一般的ですが、土盛高さは霊園の工事規定で定められていることが多く、明確に「GL+〇cm」という霊園もあれば、「〇cm以内」という霊園もあります。都立八柱霊園では35cm以内です。

 八柱霊園のように、土盛高さに範囲を持たせている霊園では、土盛高さが統一されていません。写真では、後方にあるお墓の土盛高さがやや高く設定されていることがわかるかと思います。もし、周囲のお墓よりも極端に土盛高さを低く設定してしまうとどうなるでしょうか? そこだけ窪地のようになり、風で飛ばされた落ち葉が溜まりやすくなったり、降雨時に周囲からの雨水が流入してしまったりするリスクが考えられます。

 後方にあるお墓の石塔や塔婆立は、建てようとする石塔の真後ろに位置するため、外観に影響を与えます。高さや位置関係を事前に確認し、建てようとするお墓のイメージが損なわれないように配慮したいところです。

 かつてはその家の財力を誇示するかのように、周囲のお墓を気にして、より大きなお墓、より背の高い石塔、より高価な石でお墓を建てるというようなこともあったかもしれませんが、今は周りを気にすることなく、そのご家族らしいお墓を希望される方がほとんどです。しかし、いくら気にしないといってもお墓の機能を低下させたり、将来の負担が増えるようなお墓は望まないでしょう。設計の場面では、どうしても周囲の環境は見逃せないのです。

返還区画の隣接墓所イメージ
   

   

 5月11, 2021 返還区画の再募集

 
 5月20日まで、宇都宮市の市営霊園の一つ「聖山公園」では、返還区画の使用者再募集が行なわれています。宇都宮市に引き続き6ヶ月以上住所がある方で、埋蔵すべき遺骨をお持ちの方。そして、墓地を持っていない方が対象となりますが、遠方の墓地を整理(墓じまい)して改葬する場合も可、とのことです。今回の募集は、4uの4区画。申込方法や必要書類など、詳細は「広報うつのみや」5月号、または霊園管理事務所にて。

 さて、歴史ある公営霊園の場合は、墓地の申込みをしたくても、空き待ちとなるケースが少なくありません。自治体運営の霊園という安心感と、自宅近くで墓地を持てるという立地面、そして民営霊園よりも比較的安価な設定となる永代使用料や管理料など、そのメリットは数知れず。好きな石材店を選んでお墓を建てることもできます。しかし、都立霊園のように毎年まとまった区画が再募集となる霊園もあれば、なかなか募集のかからない公営霊園もあります。

 墓じまいという話はよく聞きますが、すでに完売している霊園では、誰かが墓じまいして墓地を返還しなければ、再募集はありません。こうした区画を返還区画と言います。誰かが使っていた墓地なので、なかには気にされる方もいらっしゃいますが、公営霊園の返還区画は希少ですので、抽選で次の使用者を決定しているところもあります。

 墓地の返還にあたっては、墓石でお墓を建てる普通墓地の場合は、基礎まですべて撤去し、更地にして返還します。霊園側で整備した既設のカロートや外柵設備がある墓地では、返還後に管理者が交換したり、修繕したりすることになります。芝生墓地の場合も同様に、使用者が墓石などを撤去することになりますが、元々カロート付きの墓地であれば、返還後に霊園管理者がカロートを新規のものに交換してから、次の使用者に貸付となるのが一般的です。

 こうした点を踏まえると、返還区画とはいえ、ほぼ新規区画と同様に考えて問題はないでしょう。すべてが新規区画の開園したばかりの霊園は真新しくて印象がいいかもしれませんが、周りにどんなお墓が建つか、わかりません。その点、返還区画は周囲の風景が出来上がっているので、それを考慮した区画選びや墓石工事の設計をすることも可能です。

公営霊園の返還区画イメージ
   

   

 5月10, 2021 河川敷の森

 
 写真は利根川の河川敷に見られる樹林帯です。サクマサーベイの事務所がある取手の中心部から2キロほど下流へ行くと、うっそうとした森を形成しています。この森は、大雨で利根川の流量が増えると浸水してしまうのですが、濁流の勢いを緩和したり、漂流物の土手への衝撃を回避したりする役割にもなっています。

 河川の氾濫や土手の決壊を防ぐために、土手の高さを嵩上げしたり、土手を強化したりすることは大事ですが、この場合は河川敷の森が持つ構造や機能が良い方向へ作用し、河川防災に貢献してくれているわけです。

 これはお墓の設計をする時にも通じるものがあります。ある目的を達成するために、別の部分を改良する。あるいは、この部分を設けることによって、他の部分にどのような影響をもたらすのか、ということを考えなければならないということです。

 例えば、雑草が生えないお墓にするために、全面敷石を張ろうとした時、敷石を張ることで、それまで砂利敷きのお墓の時に機能していた地中への雨水浸透がなくなり、雨水は敷石表面を伝ってどこかへ流れることになります。敷石の敷設勾配や羽目の水抜き加工など、排水計画の変更も必要になるのです。

 自然から学ぶことは多いと、改めて思いました。

利根川河川敷の森
   

   

 5月9, 2021 母の日はカーネーションで

 
 今日は母の日です。カーネーションの花束を2つ持って歩いている方の姿を見て、お墓に母の日参りかな?と考えてしまいました。2つの花束をお墓の花立に供える1対の花束と見てしまうのは職業病です。

 実際、母の日には亡きお母様の供養のために、お墓参りされる方も少なくないようです。そして、その時に供える花は、やはりカーネーションでしょう。お墓に供える花は「キク(菊)」のイメージが一般的に強いのですが、特に決まったものがあるわけではありません。故人が好きだった花やその季節らしい花、お墓の周りが明るくなる彩り華やかな花など、好きに選んで構いません。

 トゲや毒を持つ花は避けるべきだと言われますが、トゲのある花の代表格である「バラ(薔薇)」について考えると、バラの図案で彫刻を施した洋型墓石があったり、バラが植栽されたガーデン風の霊園があったりもするので、何とも言えません。故人が何よりもバラが好きだったのであれば、バラを供えることが供養になると思います。しかし一般論として「バラは供花としてNG」との認識があるのも事実です。

 石屋としては、花の種類よりも、お参り数日後に枯れた花が石材に付着したままになってしまう方が気がかりです。花立の周りにこびり付いた花びらや葉をそのままにしておくと、石材の汚れや変色の原因になることがあります。ご家族それぞれの都合で、お墓参りの頻度は様々ですので、ある程度はやむを得ませんし、次にお参りに行った時にきれいに掃除することが大切です。

 その意味では、供花によく見られる花に「ユリ(百合)」がありますが、花粉が落ちることを考えると、個人的には注意が必要かなと思っています。しかし、故人を供養するために象徴的な花であれば、避ける理由は全くないと思います。むしろ選ぶべき花になるでしょう。

母の日はカーネーションでお墓参り
   

   

 5月8, 2021 黄砂

 
 気象予報によると、今日は大陸からの黄砂飛来があるそうです。すでに舞っているのでしょうか。何となくぼんやりとした風景に見えなくもない気がします。遠く離れたタクラマカン砂漠やゴビ砂漠で吹き上げられた黄砂が、大気流に乗って海を越え、日本へ。その壮大な旅―と言うと、ロマンを掻き立てられそうになりますが、現実には、過放牧などに起因する砂漠拡大による黄砂の大規模化や、都市部での大気汚染との結合なども指摘されているようで、今では世界的な環境問題と見る向きもあるそうです。

 大気中を舞っている黄砂の付着は、自動車や洗濯物などが汚れるといった日常生活にも影響してくることですが、黄砂の成分は何でしょうか。その字のとおり「砂」ですので、石英や長石、雲母など、岩石をつくっている鉱物で構成されています。黄砂自体が数マイクロメートル(1mmの1000分の1)という微粒子ですので、もちろん一つひとつは見えませんが、墓石で使用する花崗岩の鉱物と同じものが含まれているのです。

 そのため、付着した黄砂を取り除こうとして、タオルなどでふき取ってしまうと、付着していた部分に細かい傷をつけてしまう可能性があります。自動車の場合は、高圧洗浄機で洗い流すのがいちばんのようですが、高圧洗浄機を使用できない場合も、とにかく水で流すことが先のようです。

 屋外に建つ墓石も同じです。花粉もそうですが、黄砂を付着したままにしておくと、雨などにより固結して汚れが落としにくくなったり、石材への傷や変色の原因になったりする可能性もあります。お墓参りでは高圧洗浄機とまではいかないかもしれませんが、手桶やバケツを使ってたっぷりの水で洗い流してから、柔らかいタオルで拭くとよさそうです。

水で流してから拭き上げる
   

   

 5月7, 2021 ウェブサイトのデザインが変わります

 
 昨日のブログでは変えて進化させることを書きましたが、サクマサーベイのウェブサイトも日々更新しながら、運営しています。制作会社に外部委託することなく、全て手作りでやっているウェブサイトなので、その強みを活かし、ブログやお知らせだけではなく、時には大がかりな更新も短期集中でやっています。もちろんコストはかかりません。

 さて、リニューアルというと、全面的にコンテンツの内容や構成を見直すことになりますが、私が現在取り組んでいるのは、一部デザインの見直し。情報はそのままに、デザインだけを変えています。現時点で、トップページのみ先行公開しました。

 デザインを変えると、訪問者の感じ方が変わります。サクマサーベイのお墓づくりと、ウェブサイトから感じ取れるイメージとが、うまくリンクするデザインになればと考えています。

 そして何より、更新の前提としてあるのは利用しやすいサイトであること。訪問者が手に入れたい情報まで短時間でたどり着ける設計、読みやすい文字や配色。配慮すべきことはたくさんあるかと思いますが、ウェブについては素人ですので、その道のプロにはかないません。けれど公開すれば同じ世界に立てるのも、この作業の醍醐味であり、面白さでもあります。自分なりに追求していければと思っています。

   

   

 5月6, 2021 連休明け

 
 GWの連休が明けて、通勤電車は人人人...。オンラインによるテレワークが導入できない職種もあれば、旧態依然の企業風土を変えられない、あるいは変えたくないところもあるのでしょう。総理大臣の言葉より、会社の上司の言葉やルールの方が圧倒的に影響力が強いと考えている日本人が多いのは、紛れもない事実のようです。

 その仕事、通勤電車に乗って毎日オフィスへ行き、誰かと群れてやる必要がある仕事ですか?自宅でパソコンを開けば完結できる仕事ではありませんか?多くの人は無駄だと思っても、何かおかしいと思っても、変えることができません。変えるためにはエネルギーを必要とします。誰かに嫌われるかもしれません。変化しない環境は、一見安心できる環境です。しかしその安定が突如として不安定に陥った時、変化のない環境にいた人は、全く対応できなくなるでしょう。

 伝統や慣習。そこで育まれた文化。これらは変えてならないものではなく、変えることで継承すべきものだと思います。変えるのは時代に合わせるためでもありますが、変えることで新しい時代をつくることもできます。一方で、変わらなければ、途絶えてしまうことも。長い人類の歴史は、変えながら進化させてきた歴史です。

 このことは、お墓づくりも石材業も、例外ではありません。

   

   

 5月5, 2021 こどもの日に

 
 こどもの日ということで、柏餅を求めて和菓子店へ。と行きたいところだったのですが、朝からの強風により、サクマサーベイが事務所を置く取手駅前の商業施設「リボンとりで」の1階に入る西友で済ませることにしました。取手市には洋菓子店よりも、餅や団子、煎餅などをつくる和菓子店の方が多いような印象を持たせてくれるのは、市街地裏手に水田地帯が広がる米どころであることと、関係しているような気がします。そういえば市内には酒蔵も2つあります。地元和菓子店で柏餅を購入できなかったのは、少々残念でした。

 さて5月の連休と言えば、田植えの時期。水が引き込まれた田んぼは、陽光に照らされれば水面が輝き、風が吹き抜ければ水面が波打ちます。この季節ならではの美しい日本の風景が身近にもありました。

 気になることと言えば、田植え作業の様子を拝見していると、ご高齢の方の姿が多くあるということです。美しい水田風景が見られるのも、田んぼが田んぼとして機能しているからこそ。全国には放置されて荒れ果ててしまった田畑がたくさんあり、一部では所有者すらわからなくなってしまった土地もあります。代替わりがスムーズに行われ、次の世代が田んぼを守っていくこと(稲作を続けること)で、この風景は守られます。

 子は、親からその術を受け継ぎ、将来またそれを自分の子へつないでいく。 残念ながら、こうした家族のリレーを放棄してしまう人がいます。少子化や職業の多様化が進んだ現代、社会環境の変化でどうにもならなく、やむを得ず家族の歴史を転換させる決断をするご家族も少なくないことでしょう。

 お墓も同じです。承継できる子がいるにもかかわらず、お墓にお金をかけたくない、お墓参りが面倒だ、と言って墓じまいをする人がいます。そして、他人と一緒に入る永代供養墓に、大切な故人の遺骨を納めてしまう。

 墓じまいで失うのは、お墓という目に見える形の問題だけではないことを、石材人として発信し続けなければならないと感じています。こどもの日は子の健やかな成長を願う日。親として子に何を残してあげるべきか? いま一度考えたい、そんな日です。

田植えの終わった水田風景
   

   

 5月4, 2021 ハチの巣づくり

 
 自然に囲まれた我が家では、毎年ハチに巣をつくられるため、時々緊張感ある除去作業を行なうことになってしまうのですが、すっかり気温が上がってきたせいか、早くも今年最初となるハチの巣除去となりました。幸いにも、巣づくり初期に気がついたため、大事になる前に専用スプレーであっけなく撃退できました。

 定期的な見回りは欠かせないと改めて思いました。そして、これから夏秋にかけては、お墓も気をつけた方が良さそうです。植栽や灯籠の火袋などは、特にハチの巣がつくられやすい場所です。また、都立八柱霊園の古い外柵に設置されていることが多い名刺受け(写真)も。階段脇の柱をくり抜いてつくられた構造ですが、すでに経年劣化でふたが取れてしまったり、割れてしまったりしているお墓も少なくありません。ここもハチの巣に注意が必要でしょう。

 お墓参りの時に点検し、ハチ専用スプレーをかけておくと、ある程度は予防になるかと思いますが、御影石に直接かけてしまうと、石材変色の原因にもなりかねませんので、避けた方がよいでしょう。

 これからの季節は、もしかしたらハチの巣があるかもしれない、という気持ちでお墓に入るべきでしょう。油断はできません。周囲にハチが飛んでいるようであれば、なおさら慎重な行動が求められます。ご注意ください。そして発見したときは無理をせずに、霊園の管理事務所へ速やかに連絡することも大切です。他のお参りの方にも配慮したいところです。

階段脇の柱にある名刺受け
   

   

 5月3, 2021 曲げ強度

 
 石材の吸水率、そして圧縮強度については、墓石材として実績のある石種を選ぶことでリスクを軽減できる事項ですが、曲げ強度については設計が影響することもあります。

 例えば下図のようなイメージ。石塔の土台となるスラブ(芝台)を根石にかけた時に、スラブの厚みが薄くなるほど、根石と根石の間隔(スパン)が大きくなるほど、曲げ強度は低下します。そして、曲げ強度の限界を越えれば、スラブが割れてしまうことも容易に想像することができるかと思います。

 石材でお墓を建てるということは、長い歴史を持っていることですので、通常の建て方であれば問題ありません。それは現存するお墓が証明しています。しかし、工事費を安くしようと、部材の厚みを極端に薄くしたり、部材の数を減らし過ぎたりすると、やがて石が割れてしまう可能性はあります。

 工事の完成お引渡しの時や、建てて数年の間は何ともないように思えても、お墓はずっと残るものですので、長期的に考えた時に小さなクラックが生じたり、それが何かのタイミング(例えば地震など)で、大きな割れを誘発させることにも。予期できない石の質に関わる原因は別として、設計に起因する瑕疵は、石材店として回避しなければならないのは言うまでもありません。コストを追求しすぎて、大切な基本を見失わないように心がけています。

曲げイメージ
   

   

 5月2, 2021 図書館へ寄贈しました

 
 午後のにわか雨が上がったタイミングを見計らって、事務所近くの取手市図書館(写真・別日撮影)へ行ってきました。ここで、先日発売となった私の著書つながる墓じまい 断ち切る墓じまいを寄贈させていただきました。

 サクマサーベイ地元の街で、市民の方々に広く読んでいただければとの想いからです。図書館での審査を通過すれば、貸出用のフィルム加工を施したのち書棚に並ぶことになるでしょう。

 オンライン書店の場合は、購入者が購入を予定している本のジャンルに関するキーワードを検索して表示されたいくつかの商品の中から、書籍概要や著者情報などを参考に、購入する本を選択することになるかと思いますが、一般書店や図書館であれば、リアルな書棚を前に、ずらりと並ぶ本のタイトルから手にする本を選び、そしてページをめくりながら、本に触れることになります。(今はオンラインでの検索や予約も一般化しつつありますが…)

 特に図書館は、本を買うのではなく借りる場所なので、書店よりもっと気軽に、日常の一部分として利用されている方もたくさんいます。蔵書の数はもちろん、すでに絶版となった本や、地域の歴史を知るような希少価値の高い本など、図書館でしか出会えない本は少なくありません。そして、それらは市民からの寄贈で成り立っている側面も大きいのです。

 利用者としては、本との思いがけない出会いもあるでしょう。私の本も「こんな本があるのか…」「つながる墓じまいって何だ?」そんなことから手にしていただければ幸いです。さらに、少しでも何かにお役立ていただけるのであれば、著者としてこの上ない喜びです。よろしくお願い致します。

取手市図書館『つながる墓じまい 断ち切る墓じまい』
   

   

 5月1, 2021 石材の強さ

 
 月跨がりとなってしまいますが、昨日のブログではJISの吸水率について触れましたので、圧縮強度についてもご紹介したいと思います。

 お墓は石材を組み合わせて建てられます。石塔をイメージするとわかりやすいのですが、いくつかの石材を積み重ねて墓石としての形、デザインになります。当然のことですが、下の石は上の石の荷重を受けることになり、それに耐えられる強度がなければ、割れたり崩れ落ちたりしてしまいます。その指標の1つとなるのが「圧縮強度」です。圧縮強度は下の式で求められます。

最大荷重(N)  
圧縮強度 N/mm2=
 
断面積(mm2)  
※JISA5003による。

 JISによれば、吸水率測定後の試験体を使って速やかに測定し、吸水率と同様に3個の試験体の平均値で算出。測定では、実際に圧力を加え、最大荷重(どこで試験体が破壊されるか)を求めます。石材の圧縮強度はコンクリートの数値よりも大きく上回っているため、墓石材として流通している石種で、実績のある石種を選択すれば、全く気にする必要はありません。

 ところで、石の重さはどれくらいでしょうか。体積×比重の計算で石の重量が出ます。墓石で使われることの多い花崗岩の比重を2.65とすると、標準的な和型の石塔では、芝台・拝石まで含めて1000kg(1トン)近くになります。こうした重量物を据えていくため、石の性質として圧縮強度に問題がなくても、設計次第で強度に影響するものもあります。それが「曲げ」に対する強度です。

 長くなりますので、この続きはまたにします。

下の石は上の石の荷重を受ける
   

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