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@お墓の承継を考える

「お墓を継ぐ人がいない」は本当か?






お墓の承継は子に限らない


 家族単位のお墓は承継を前提としています。お墓の承継とは、祭祀の主宰者を承継するということ。墓地・霊園での事務的な意味では、墓地使用者の名義変更であり、年間管理料の納付義務者の変更です。

 代替わりという意味では同じですが、お墓の承継は民法で定める相続の考えとは別。お墓の承継対策として、生前のうちに次の祭祀の主宰者を指定し、お墓を承継することもできます。例えば、子どものいないご夫婦が将来のことを考えて、ご主人の兄弟姉妹の誰かにお墓の承継をお願いすることも一つの選択肢。子どもがいない人は「お墓を持てない」「墓じまいしなければならない」というわけではありません。

 相続対策で重視される税金の面でも、お墓は相続税の課税価格に算入されないため(相続税法第十二条)、生前のうちに墓石工事をすることで、相続税の節税につながります。「終活」は、人生を振り返りながら、物事を処分したり整理したり、またはその方向性を明確にする活動。その中で「墓じまい」が取り上げられるようになりましたが、お墓を建てたり、修繕したり、リフォームしたりすることも、代替わりへ向けた土台作りになります。



承継問題は親族の枠で考える


 承継して墓守するということは供養の面だけではなく、墓地管理者に支払う毎年の管理料や墓石のメンテナンスや修繕工事など、長期的に見ればそれなりの維持費用が必要です。そのため、いくら親族の範囲なら承継できると言っても、「お墓を承継してもらえませんか?」とお願いできる相手は限られることかと思います。

 一般的には、子どもがいる家の場合は子に承継するでしょう。しかし、親族のどなたかに承継してもらい、「両家墓」にする方法もあります。両家墓は2つ以上の親族のお墓を1つにする考えですので、例えば、まだお墓を建てていない家に承継してもらえば、承継する家にとっては、すでにあるお墓を活かして、新しい供養の場をつくれることにもなります。

 承継問題は1つの家だけで考えるのではなく、親族という大きな枠で考えると解決策が見出せるかもしれません。ちなみに民法での親族は【6親等内の血族・3親等内の姻族・配偶者】です。実際にどの範囲の人まで承継(墓地の名義変更)できるかは、霊園ごとに定められた使用規則によりますが、多くは民法で定める親族の範囲と一致しています。注意を要するのは、寺墓地や一部の民営霊園で、承継者に対する宗教の制限があるかどうかという点です。



無縁墓にしないために


 どうしても承継者がいないのであれば、今あるお墓を墓じまいして、承継を前提としていないお墓、例えば永代供養墓や合葬墓などへ遺骨を移すのもやむを得ません。遺骨を取り戻すことはできなくなりますが、使用申込みにかかる費用を支払えば、今後は管理料などを求められることはありません。だから承継者がいなくても納骨できるのです。

 少子化による人口減少社会にあって、お寺だけではなく、自治体が運営する公営霊園でも合葬施設の整備が進められており、生前に自身の遺骨の納め場所として申し込める霊園もあります。

 何の手も打たずに承継問題を残したまま名義人がなくなってしまうと、誰も管理しなくなったお墓は遺骨を納めたままの状態で放置されて荒廃。いわゆる無縁墓
になってしまいます。霊園の管理者にとっては管理料の滞納が続き、隣接する墓地でお墓を守るご家族にとっては荒廃したお墓と隣り合わせの状態。草木が伸びて迷惑ですし、地震で墓石が倒れてくる危険性もあります。今、全国的に無縁墓の増加が深刻な問題になっているのです。

無縁墓に対する立て看板

無縁墓は名義人不明のお墓。管理料の滞納状態が続き、墓地使用許可の取り消し対象になる。写真の立て看板は、1年以内に縁故者からの申し出がなければ墓石を強制撤去する旨のお知らせ。無縁墓の改葬は法に則った手順で執行される。撤去後は、返還区画として墓地使用者の再募集が可能になる。
 
荒廃した無縁墓イメージ

写真は無縁墓のイメージ。草木が墓石を取り囲むように覆い、異様な雰囲気に。適切に選定されなくなった植木の根が墓石を押し倒し、隣接する墓所へ影響してしまうこともある。墓守に無責任というべきか、身内のいない名義人に予期せぬ不幸があったのか。その事情は誰もわからない。


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