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D墓石と石材業界を考える

お墓の価値は理想のお墓づくりで決まる






変化と個性を備えるのが石


 お墓をなぜ石で建てるのでしょうか? 硬く重い石を使ってお墓を建てるのは、風化しづらい、動きにくいという墓地の目印(シンボル)としての機能を維持する目的があります。一方で、墓石は風雨を受けながら長い年月建ち続けることで、少しづつ経年変化します。表情を変えていくのです。お墓に備わる風格や優しさ。それは劣化ではなく、時間の証明です。墓石の歴史が家族の歴史を示し、先祖からのつながりを感じさせることになります。磨き面の色つやが落ちにくい石種、変色やサビが少ない石種など、変化をリスクと考えた墓石選びもありますが、そればかりではないということです。

 墓石としては御影石と通称される花崗岩が多用されています。しかし、石種ごとに色合いや目の大きさは異なり、特に切断面を磨くことで現す外観特性のほかに、吸水性や硬度といった物理的特性で比較されます。見た目が似ている石種でも、産地ごとに石種が付けられていますが、同じ石種であっても、採れた場所(丁場)や深さ(時期)が少し変わるだけで、外観に変化が生じるものもあります。最終的にはどの原石で加工するか、ということになるのです。

 国産の石種もありますが、現在流通する墓石材としては、その多くが外国産で占められています。世界各地で産出された石は、主に中国福建省周辺に集まり、そこで加工されたのち日本へ運ばれてきます。工期と人件費の面から検討されることですが、国産の石も一部では原石を中国へ送り、加工したのち再び輸入するケースもあります。

 ちなみに、国産よりも外国産の方が安価だと思われる方もいますが、石により様々。また、黒系統よりも白系統の色合いを持つ石(白御影)の方が比較的安価とされますが、これらはあくまで傾向としての話です。例として、国内最高級の庵治石は白御影です。値段に影響する要因として供給量は1つのポイントになります。希少性。たくさん原石が採れても、実際に墓石材として使える部分が限られてしまう石種もあります。自然素材ならではの欠陥や偏りがあるのも石。個性として受け入れられるものは受け入れたいものです。



石材店選びで変わるお墓づくり


 値段の高い石で建てるほど、お墓の価値は高くなるのでしょうか? これに対する回答は、建てるご家族によって異なるでしょう。お墓の価値はそれぞれのご家族が考えるお墓づくりで決まるものだからです。つまり、墓石材としての石の価値は値段だけではないということです。理想のお墓づくりにふさわしい石は何か? 選ぶ石にご家族なりの意味をもたせることが何より大事です。

 とはいえ、墓石工事全体に占める材料費は大きなもの。ところが一般の方にとって、石の値段はわかりづらいものだと言われます。同じ面積に同じ石種で建てるお墓なのに、霊園によって値段が違うことも。なぜか? 材料としての墓石(石材)そのものの値段に、一連の工事費(石材運搬、基礎工事、据付工事)や彫刻費(家名や戒名彫り)などが一緒になって、お墓を建てるときの総費用になります。石材店の見積書ではその内訳に注目しましょう。

 つまり工事内容が変わることで、同じ面積に同じ石種でも値段が変わるのです。工事内容は現場条件に合わせて決まっていきます。どんな材料で、どんな設計で、どんな工法で建てるか? 例えば車道からの距離も関係します。石は重量物。少し動かすだけでもクレーンで吊り上げたり台車に載せたりする必要があります。工事内容を設計し、どんな提案ができるか? これがそれぞれの石材店によって違うところ。だから見積もりで差が出るのです。単に「安ければいい」ではなく、費用対効果で考えることが大切です。

 お墓は建てたあとが大事。建てるご家族と工事を請け負う石材店とが、法要やお墓参り、メンテナンスの場面などをイメージしながら、打合せを重ねて工事内容を決めていきます。石材店選びが大切な理由はここにあります。カタログや展示品の墓石を勧めるのではなく、御施主様がどんなお墓をイメージしているのか、丁寧に聞いてくれる石材店が理想のお墓づくりに近道なのは言うまでもありません。しかしながら、特に指定石材店制度のある民営霊園では、ふらっと霊園見学へ行き、現地で案内を受けた、いわば偶然出会った石材店と墓石の契約をしてしまうケースが少なくないようです。

石材イメージ

石は磨くことで色つやが備わり、外観的な美しさを見せてくれる。白御影に黒御影、国産に外国産。その選択肢は数えきれないほどある石選び。鉱物の比率や石目の大きさで吸水率や色合いは変わり、それが石の持つ個性として認知されている。ご家族が理想とするお墓づくりに相応しい石種を選びたい。
 
墓石工事イメージ

墓石工事にクレーンは欠かせない。重量物である石をどのように取り扱うかは、石屋の腕の見せ所となる。現場条件を十分に理解し、工事設計をいかにして組むか。これがご施主様への提案内容に反映され、墓石工事費にも影響する。費用対効果を得るために、工事費の根拠を知ることが大切。


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